こじらせ廉くん［番外編］ (ページ38)

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廉side

廉「Aは?」

〈今、神宮寺先生が白車迎えに行きました〉

廉「ありがと..ｯ」

搬送口に、じんと数人の看護師。

勇太「もう来るよ、、、来た」

廉「やっぱ無理しとったんか、、」

勇太「廉が凹んでどうすんだよ
今しんどいのはAちゃん、行くよ」

〈河口Aさん、20歳
仕事中に倒れたみたいです
症状から見て重度の貧血、呼吸も少し乱れてます〉

白車から下ろされるAはグッタリ。
顔色も悪く、酸素マスクが付けられている。

廉「A声聞こえる?
聞こえたら手握ってくれる?」

『れんくｯ....(泣』

軽く握られた手。

廉「A、泣かんでええよ?
もう大丈夫」

勇太「ルートは?きつかった?」

〈はぃ、、すいません(苦笑〉

勇太「廉、ルート取れる?」

廉「取れるよ
Aごめんなぁ、ちょっと痛いよ～」

処置室に着いて、急いで点滴を繋ぐ。
今はもう抵抗する元気もないらしい。

勇太「Aちゃんこっちの腕もごめんね～」

片方に栄養剤、片方に輸血。

勇太「落ち着いたらICU入れよう」

廉「分かった
A頑張ったなぁ
もう少ししたら普通のお部屋行こうね」

『んんｯ...ﾋｯｸﾋｯｸ..れんｯﾊｧｯﾊｧｯ(泣』

廉「ん?俺ここおるよ?」

勇太「結構呼吸乱れてるからマスク長めにね」

廉「了解、ありがと」

『廉くｯ...ﾊｧｯﾊｧｯ(泣』

廉「はいはい、どうしたん」

さっきから名前しか呼ばないA。

『急にｯ
目の前真っ暗...ｯなって..ﾋｯｸ(泣』

廉「怖かったなぁ...
けどちゃんと俺おる病院言えたんやろ?」

『ｺｸﾝｯ...(泣』

廉「偉いやん」

『廉くｯ、、、手ｯ...ﾋｯｸﾋｯｸ(泣』

廉「手繋ぎたいん?(笑」

手を出すとぎゅっと握られた。

〈移動しますか?〉

廉「そうだね、Aベッド動くよ～」

『んんｯ...やだぁ....ｯ(泣』

廉「大丈夫大丈夫」

ICUに移してカーテンを閉める。