家も職も失ったけど、どうする？ 2 (ページ8)

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慣れてない優しさページ8

｢誰これ｣

後ろから声が聞こえたと思えば
携帯をヒョイっと取られる

『ちょ、ハンジソン！！！！』

HN｢お！声だけで気づけた？｣

『……返して』

HN｢いや、これは返せないね。｣

『…………なんで。』

HN｢ヌナと写ってるこれは誰か教えてよ｣

『…』

HN｢やけに愛おしそうに何か見てると思えば、男？｣

『ハニには関係ないよ』

HN｢いや、あるね流石にこれは見逃せない｣

私の携帯を自分のパーカーのポッケにしまい隠すハニ

HN｢ヌナ、彼氏居たの？｣

『彼氏じゃない』

HN｢でも、だいぶ親密そうだったけど？｣

『……もう、彼氏じゃない』

HN｢……え、これが噂の元彼？｣

手真ん丸にするハニ

『そう、噂の元カレ』

HN｢……どこかの芸能人とか？｣

『モデルはしてたらしい』

HN｢顔いいもんなぁ………………じゃなくて！！｣

『わっ、何よ』

HN｢えぇ……初めて付き合った相手がこれぇ？｣

頭を抱えながら私が座っているソファの横に座り

はいっと携帯を返してくれた

HN｢なんで別れたのか未だに理解出来ないくらい美男美女だな｣

『まぁね、もうどうでもいいけど』

HN｢どうでもよかったのにあんな顔で見つめてたの？｣

『………わかんない、どうでも…いいのかな。』

自分でもよく分からない

ここに来てから楽しくて仕方なかったから忘れてたけれど、改めて向き合うと正直辛い

HN｢少なくとも、なにか引っかかる節があるんだよ、じゃなきゃそんな顔出来ない｣

『かなぁ…』

HN｢まぁ、とりあえずハグでもしようぜ｣

ハニがグイッと私を引き寄せ優しく抱きしめてくれる

優しい匂いがする

HN｢元彼は勿体ないなぁ！こんな可愛い子を捨てちゃうなんてさぁ｣

HN｢俺たちなんてみんなメロメロよ～？｣

慣れてないくせに私が気を落とさないように
たくさんの優しい言葉を投げかけてくれるハニ

『あはは笑慣れて無さすぎ笑』

HN｢ヤー！うるさいぞぉ！｣

頭をぐしゃぐしゃと撫でられる

『あはははっ笑』

HN｢でも、ほんと勿体ないよ、こんないい子放ったらかしなんて｣

崩れた髪をわざわざ治してくれる

優しい目、優しい言葉
だからハニはみんなに好かれるんだな

『じゃあハニが私の事放ったらかさないでね』

HN｢もちろん！ウザイぐらい放ったらかさないよ～？｣