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「おつかれ〜」
「おつかれさまでーす」
アルバムの打ち合わせが終わると、浦島坂の3人がそそくさと此方に寄ってくる。
なんだなんだとこっちからも近寄れば、彼らはもう既に鞄やら上着やらを抱えていた。
「センラ、この後ご飯行ける?」
「うらさんの奢りやって」
「奢らねーよ」
どうやら3人はご飯に行く気満々のようで、キラキラとした瞳を向けられて苦笑を浮かべる。
久々の居酒屋だし行きたいのは山々なのだが、俺にはどうせ飯も食わずにだらだらとしているあいつがいる。
『多分あいつご飯食べてへんし今日は帰るわ。ごめんな』
「あー、もしかしてニートちゃん??」
『その呼び方やめろ』
「だってそうやん、センラが養っとるんやろ?」
『……まあ』
これ以上あいつの話をしていると面倒臭い事になりそうだし、「ほんまに帰らんとやから!!」と無理矢理にそこを後にした。
別にあいつが心配な訳では無いけど。別に、あいつが心配な訳では無いけど!!!
それでも、こんな時間まで晩御飯を食べていないと思うと気が気でなかった。
どうせ昼ご飯もろくな物を食べていないのだろうが。
スマホの電話帳から「A」の名前を探して電話を掛けると、4コール後に彼女は出た。
少し間が空いて聞こえてきた「もしもし」は少し掠れていて眠そうだ。もしかしてこの時間まで寝ていたのだろうか。
『もしもし、晩御飯たべた?』
「たべてない」
『…うん、知ってた。今から帰るから待っとって。もう寝るなよ』
ぶつりと電話を切って、俺は家に向かう足を少しだけ早めた。
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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2022年3月17日 0時) (レス) @page14 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
美麗 - 100票目もらいました!wこの話めっちゃ好きですwあ、押した星は一番右ですよ?めっちゃ更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年3月18日 19時) (レス) id: 898ecf2a8e (このIDを非表示/違反報告)
ねこまる先生。 - この作品はヤバい。面白すぎる。センラさんが少し病み気味なのバチくそ好きですね(hshs)私はログインできないのでお気に入りは出来ませんが…一番右のお星様は押します!更新頑張ってください! (2020年10月31日 20時) (レス) id: 1f53132dc8 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(名前募集中)(プロフ) - 早くみたすぎる。ニヤニヤしておきます (2020年10月27日 17時) (レス) id: 71be53c310 (このIDを非表示/違反報告)
*茉莉花*@かばやき(プロフ) - 続きが気になります*^^*お気に入り失礼しますね〜 (2020年10月25日 9時) (レス) id: 040119bf1f (このIDを非表示/違反報告)
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