参色 ページ5
not.side
元治元年 水無月 五日
____京の都 三条小橋のとある旅宿____
______“池田屋”______
そこに、浅葱色の羽織りを身に纏った者達が
________踏み込もうとしていた
ガタン！！
ドカッ！！
「会津中将お預かり浪士隊、
“新選組”！！
詮議の為、宿内を改める！」
一人の者が名乗り出る。
勇ましく、その声は宿に潜む浪士の耳に入る。
「わざわざ大声で討ち入りを知らせちゃうとか、
すごく“近藤さん”らしいよね？」
一人の隊士が翡翠の瞳を細め、
腰にある愛刀を抜刀しながら言った。
「いいんじゃねぇの？
………正々堂々、名乗りをあげる。
それが討ち入りの定石ってもんだ」
「自分を不利な状況に追い込むのが、
“新八っつあん”の言う定石？」
鉢巻きの男は肩に刀の峰を担ぎ、
髪の長いまだ若い青年は口角をあげる。
討ち入りの中、三人は顔を合わせ、ニヤリと笑った。
そして、長い夜が始まった。
_______________________________________
________________________
_________________
一法四条目にて、
京の市中を走る少年………いや、少女は、
息を切らして“四国屋”に向かっていた。
そして…………四国屋まで後僅かとなった時だった。
「ｯ！！」
少女は思わず足を止め、後ずさる。
ゆらりと数人の浪士が、少女の前を防いだ。
浪士1「何奴じゃ……？」
「ｯ……(後、少しなのに……このままじゃ！)」
浪士2「怪しいな……捕らえろ！
新選組やもしれん！！」
「！！」
少女は覚悟を決め、腰にある小太刀に手を伸ばした。
…………その時。
ザシュ！
ドスッ！！
「え………？」
『お怪我は御座いませんか？
……………“雪村さん”』
安堵した瞬間、ペタンと座り込んでしまった 少女は顔を上げる。
風が舞うと同時に、長い銀色の美しい髪が揺れ、
真紅の瞳は少女を移している。
顔を黒い襟巻きにうずめながら、
“銀の少女”は雪村に手を伸ばす。
雪村は手を取り、
“本命は＿＿＿池田屋”と伝えた。
「本命はあっちか！」
幹部達はそれを受け取り、池田屋に向かった。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←弐色
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノウム - 更新頑張ってください！楽しみにしてます(>ω<)ノ (2016年8月11日 7時) (
レス) id: 68fb4ebc52 (このIDを非表示/違反報告)
エミリ - ↓もとムフです！ (2016年5月23日 20時) (レス) id: 68fb4ebc52 (このIDを非表示/違反報告)
エミリ - 土方さんやっぱりかっこいい！続き頑張って！(>ω<)ｂ (2016年5月23日 20時) (レス) id: 68fb4ebc52 (このIDを非表示/違反報告)
総ちゃん - 続きが気になります。更新楽しみに待ってます(゜∇^d)!!(゜∇^d)!! (2016年4月25日 11時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
ムフ - こちらこそ！^^宜しくお願いします！ (2016年3月29日 13時) (レス) id: 7aa840e17b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美緒桜 | 作者ホームページ：http://seekanoteu
作成日時：2016年3月4日 15時
