四百四通目 ページ5
「……どういうことだ」
「いや、な。二十歳そこいらの──世間的に見れば若い男達が、一国を統治しているなんざどうにもおかしいとは思わないか？ヴィルへ」
いちいち舐め腐った、煽るような語調が癪に障る
Aのことをまるで親しい中のように【ヴィルヘ】と呼ぶのも気に食わない
呼ぶならせめて【ヴィル】だろうし、そもそもこの男と仲良くなった気はない
──それに、我々国国内でこうも軽薄に自国主を馬鹿にするその姿勢、腹立たしくてたまらない
「これはもう、俺達で国を変えるしかないんじゃないか？なぁ、ヴィルへ。成績不良なお前でも、このぐらいはわかるだろう」
国を、変える？
その語句の意味を嚥下したと同時に、思わずAは机にフォークを突き刺していた
ダンッという音とともに木の机にの表面に、ほんの僅かな亀裂が走る
「発言を慎め。ここは我々国内であり、学内だ。何処で上官がお前の言葉を御耳に入れるかわからない中、よくもいけしゃあしゃあとそのようなことが言えるな。成績がそんなに大事ならば、お前は口を開かずに黙って指揮だけしていればいい──あと、私をヴィルへと呼ぶな、お前は私の友ではない」
吐き捨てて捲し立てるように言うと、Aはいそいそと立ち上がり、食器を運ぼうと手に持つ
最後にちらりと男の顔色を伺うと、輩は何も言わずにこちらを忌まわしそうに睨んでいた
その様に大きく嘆息しながらも
「おまえがそれを正しいと思うならば、勝手に革命でもなんでもやっていろ、馬鹿馬鹿しい。子供のままごとじゃあるまいに」
と、睨み返して言う
すると輩は軽い舌打ちを一つ
あからさまに聞こえるような声量で
「──女は良いな、色使えばなんだって出来んだからよ」
と、皮肉めいた罵倒を吐くのだった
それを耳にした周囲の畜共が賛同するように薄ら笑いを漏らしているけれども、Aは最早見向きすることもなく
調理室の奥で洗い物をする調理師達に
「ご馳走様でした」
と伝え、食堂を後にするのだった
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アンバ(プロフ) - (みたら士)神様､小説を創ってくれてありがとうございます｡ (2021年5月9日 1時) (
レス) id: 04b4947088 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 後輩くん…！個人的にはキャラ揃って大喜びしてます。最近更新多くて通知を見るたびに発叫してます。ですが、無理はなさらないように… (2021年5月9日 1時) (レス) id: 6bc5efe30d (このIDを非表示/違反報告)
シャノ(プロフ) - 最近更新増えて嬉しいです。 彼ですかね、、、！ 更新ありがとうございました！ (2021年5月8日 22時) (レス) id: f15c4b37e0 (このIDを非表示/違反報告)
Contrast(プロフ) - 本当にお話一つ一つが素敵で大好きです！無理のない更新で頑張って下さい！ (2021年5月8日 7時) (レス) id: 8384124a90 (このIDを非表示/違反報告)
アンバ(プロフ) - 本当に大好きすぎる…！読者をどれだけこの作品はびっくりさせてくれるんですか！更新ありがとうございます！！！ (2021年5月8日 4時) (レス) id: 04b4947088 (このIDを非表示/違反報告)
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