三百八十八通目 ページ39
「兄さん。そうえば私、兄さんのこと何も知らない気がします」
御者席の彼に振り返ることなく、ぼうっとしたままに疑問を投げると
煙草の煙を吐いた彼が、間延びした声を返してきた
「あーそうやな」
「兄さんって、何歳なんですか？」
「今は二十三」
兄さんだけに──というわけではなさそうだった
確かに彼は大人っぽい見た目をしてはいるが、歳の頃はそこいらだろう
経験豊富、というところか
老け顔と間違えて言っても、怒られてしまう気がするから、Aは黙りを決めておくことにした
「ヴィルは？」
「私はもう少しで十八歳です」
「若いな」
「若いですね」
あと半年もすれば、十八歳を迎える
この一年半、自分の歳に関して無頓着が過ぎていたAは、すっかりそのことを忘れていた
一応我々国での成人基準ラインは十八歳だ
飲酒や喫煙は二十歳まで行うことが許諾されていないけれども、一応大人の仲間入りということになる
「兄さんお酒飲めるんですか？」
「そりゃまぁ……ってヴィルの前でも飲んどるやろ」
そうしてAと兄さんは、冗談交じりの質疑応答をした
どんな食べ物が好きかだとか、人生最大の失敗は何かだとか
逆に嫌いな食べ物や、何座産まれかいつ生まれか
さまざまな会話をしていて、ほんのすこししたころに
「……兄さんって、何処の国の出の路店商なんですか？」
Aの口から、そんな質問がこぼれた
ふいをついて出ただけで、元々するつもりはなかった言葉である
するつもりはなかった、というよりは、しないようにしていた言葉
もしガヴィルと答えられたりしては、Aはきっと兄さんを意味なく軽蔑してしまう気がしたから
でも、言わずにはいられなかった
頭の中に渦巻くモヤモヤを、取り払いたかったのだ
彼が軽くで良いから答えてくれれば、この有耶無耶な気持ちが無くなってくれると
そう、口をついて出ただけ
本当はどうでも良かったとは言わないけれど
「出身か？出身はなぁ──」
「──我々国って、わかる？」
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萌木 - もしかしたら意図的で、この先の話を読んでいないのでそんなに偉そうに言えないですし、このコメントが届いているのかもわからないですけど、 三百七十六通目の最後、兄さんはヴィルヘルミナの名前しか知らない筈です。 ご確認お願い致します。 長文失礼致しました (2022年7月8日 17時) (
レス) @page27 id: 7b477ee6df (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 心の中で盛り上がってまいりましたと踊っています。主人公がうっに再会できること心より楽しみにしております。 (2020年1月22日 23時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
歌い手総推し！&外資系と書記長寄りの箱推し！ - とうとう運命の瞬間が…！niさんと夢主ちゃんはどのような反応をするのか…楽しみに待っています！ (2020年1月22日 13時) (レス) id: 6e4f801f19 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - 茶葉さん» （コメントの検索避けありがとうございます）二人の関係がどう動くのか……夢主の運命は……どうぞ楽しみにお待ちください (2020年1月21日 20時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
みたら士(プロフ) - しゅがーさん» そろそろ�修砲眛�りますし、物語は展開を続け……この質問が一体どうなってしまうのか、ご期待しつつお待ちくださいな (2020年1月21日 20時) (レス) id: 88ea3ab685 (このIDを非表示/違反報告)
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