百九十八通目 ページ49
全てが終わった
これから先、いつの日かにガヴィル国との戦争が引き起こされるだろうけれども
それまでの安寧を、手に入れることができたのだ
一つの大きな枷が外れたことで、Aはため息を吐いた
安堵のそれは、風に溶けていく
ふと
「Aちゃんにシャオちゃん、お疲れ様〜」
シャオロンと並んで校門の外へ出ると
そこには、桜並木のひときわ大きな老樹にもたれかかって煙草を喫む、鬱先生の姿があった
「大先生やん、遅かったな」
「ごめんごめん、中にはいれんくてなぁ」
「ロボロと合流すりゃ良かったのに」
「なんかアイツ近寄りづらかってん」
「ほーん」
「そんなことよりさぁ、Aちゃん」
その双眸が、Aを捉える
──その、紅く灯った両眼が、Aの姿を睨んだ
「俺、気をつけろ言うたやろ」
陰った顔の表情こそ読めないが
その言葉は酷く明瞭に聞こえ、その眼力にAは身をすくませた
──戦闘時のシャオロンと、同じ目だ
「鬱、様」
「あ〜シャオちゃん、先帰っとってくれる？」
「ほーん……あんまいじめんなよ」
「はいはい、わかってるわかってる」
シャオロンは、軽く数度Aの頭を叩くと、待機していた傭兵と共に何処かへ居なくなった
その背面を目で追いながら、Aは鬱先生から目をそらす
「なんで、そんな怪我負ってるん」
酷く低い声、冷たい声音
──しかしどこかその声は、震えていた
ハッとしてそちらへ目を向けるが、木陰の彼の表情は未だ伺えず
驚いて二三歩彼の元へ足をすすめると、やがてその顔色が見えた
──彼の表情は、何とも言い表せないもので
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檸檬 - めちゃくちゃ面白いじゃないですか。返してください、私の腹筋（）。番外編で夜中なのに「ゲルテェェェェェェェ！（感涙）」って叫んじゃいました。 (2021年5月23日 1時) (
レス) id: 1448aeacc9 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最近更新が多くて嬉しいです。ありがとうございます。これからも応援しております。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテおいしぃ - 熱い展開になってきましたね！ (2019年10月5日 11時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - 更新待ってました！！！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: dcff59daa3 (このIDを非表示/違反報告)
るるりぃ - ココラさんと同じく何故か胸が苦しくて・・医務室から逃げる場面から涙が出ました。更新頑張ってくださいね！みたら士さん！ (2019年8月28日 23時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
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