百八十八通目 ページ39
男が拾い上げた鉄剣と、シャオロンのシャベルが交差する
キィンという耳をつんざく音と共に、攻撃をいなし仕掛け跳ねて飛んで
剣術の上級者同士の掛け合いは、A等凡人には目で追うことすら敵わなかった
「ッこ……れは」
さすが、の一言に尽きる
真剣無非な表情の、シャオロンを見つつAは思った
今までおちゃらけて笑っていたような、シャオロンの顔がAには思い浮かべることができなくなる
Aと、日常の中で少し手合わせをしたときも
少し──いや、かなり加減をしていたのだろう
鉄が交わる音響
そのさなか、Aはただ考えていた
この現状を打開する策を
──自身にしか練り上げられない策を
「シャオロォォォォォォンッッッッ！！」
「汚ぇ口でッ！！！人の名前呼んでんじゃねぇッッ！」
二つの雄叫び
呆然として、ただただ見つめる群衆
──きっと、消耗戦になるのだろう
シャオロンは確かに強い
しかしそれの下位互換と言えるほどに、男も力を有しているのだ
それに未だ、伏兵がいるかもしれない
多勢に無勢と言う言葉があるのだから、あの男が一人で敵国に踏み込んできたりなどしないだろう
ましてや、国一番の軍指導学校に
それを見つけ出して、潰して
それから我々軍の増援を待つのみだ
──対処しなくてはいけない事項が多すぎる
伏兵が、一人とは限らないというのに
「っくそっ、どうすれば──」
──刹那
唖然として座り込んでいた観衆の中、Aの前席に居た女が立ち上がった
──スカート裾下のガーターから、銃を取り出しながら
確かこいつは、体育館裏で女子生徒に絡んでいた奴だったか
そんな思考を隅に置きながらも、場は流れる
Aの視界に、全てのものがスローモーションで映た
驚愕して飛びかけた意識
──それを強制送還させるように、Aの耳に声が届いた
がさついたノイズ混じりな、耳の痛くなるような叫び声が
「──の──は、──か──たッッ！」
「──ターの──う──は、──か──さ──たッッ！」
「繰り返すっ！シャッターの施錠は解除されたっ！」
「現場付近の幹部は直ちに、突入せよっ！！！」
Aの懐から、愛用銃が取り出される
前方の敵が発砲を行うよりも速く放たれた弾丸は、高速回転と共にその女の肩を穿った
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檸檬 - めちゃくちゃ面白いじゃないですか。返してください、私の腹筋（）。番外編で夜中なのに「ゲルテェェェェェェェ！（感涙）」って叫んじゃいました。 (2021年5月23日 1時) (
レス) id: 1448aeacc9 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最近更新が多くて嬉しいです。ありがとうございます。これからも応援しております。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテおいしぃ - 熱い展開になってきましたね！ (2019年10月5日 11時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - 更新待ってました！！！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: dcff59daa3 (このIDを非表示/違反報告)
るるりぃ - ココラさんと同じく何故か胸が苦しくて・・医務室から逃げる場面から涙が出ました。更新頑張ってくださいね！みたら士さん！ (2019年8月28日 23時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
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