百七十一通目 ページ22
「あれ？怖気づいちゃいました？」
ショッピ様の嘲笑と馬鹿にしたような声が、やけに耳に残る
僅かに震えていた両手をぐっと握りしめると、強張った笑みが彼から見えなくなるように俯く
「まさか、そんなわけ」
「あれ？そうっすか？怖がってるように見えるんすけども」
「……怖くなんて、ありません。だって……だって私は」
幹部だから
だから、怖がってはいない
──怖がってはいけない
そう考えて、ハッとして首を振った
幹部だからという名目に押しつぶされて、自身の感情を忘却しようとしている
抱いた恐怖を消すのではなく、相手に気づかれないように隠そうと、Aは小さく嘆息をしようとした
──したのだが
「ッッッオラよッ！」
後方から迫る殺気と、威圧
左から右へ薙ぐように、コネシマの剣技が切った
突如のことに反撃の術はなく、Aは振り向きざまに自身の両手で顔を覆った
その白帆の腕を、一文字に切る剣先
「ッイッッ────！」
血の気が引いていく感覚と相対して、腕はだんだんと熱くなる
軽くだが、手首から腕ほどにかけてを切られてしまった
「戦場じゃ、世間話もちょっと待ってもできへんわ」
嘲るように、コネシマが言う
正面なら冷たい目を向けられながら、Aは必死に思考を巡らせる
横にはらうような攻撃だった故に左手の損傷はないが、この先不利になること限りない
防衛の際に右手を使用することが不可能となり、Aは焦りを覚えた
守ったのは良いが、今後はどうするか
蹴り技を決めるにも、リーチが足りない
繰り出した直後に再び攻撃を仕掛けられ、今度は確実に胴をやられてしまうだろう
それに今は、銃口を向けてきているショッピに背中を見せていることになる
今度はきっと、加減なんてされないだろう
逃げられないよう、攻撃を抑えられないよう、確実に左肩をやられる
であればと
Aは、確実手を選択する
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檸檬 - めちゃくちゃ面白いじゃないですか。返してください、私の腹筋（）。番外編で夜中なのに「ゲルテェェェェェェェ！（感涙）」って叫んじゃいました。 (2021年5月23日 1時) (
レス) id: 1448aeacc9 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最近更新が多くて嬉しいです。ありがとうございます。これからも応援しております。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテおいしぃ - 熱い展開になってきましたね！ (2019年10月5日 11時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - 更新待ってました！！！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: dcff59daa3 (このIDを非表示/違反報告)
るるりぃ - ココラさんと同じく何故か胸が苦しくて・・医務室から逃げる場面から涙が出ました。更新頑張ってくださいね！みたら士さん！ (2019年8月28日 23時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
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