誇り高きイストワール 【番外編 百六十四通目】 ページ15
思わずその手を払い、鬱様を引き寄せる
大衆の視線が私へと映されるのを感じた
それはあたりまえだろう
総統閣下の背後に立ち続け、一言すら発すことなく威圧感を放つ
そんな人間を訝しげに見ないわけがない
しかしそんな皆の反応すら無視して、私は鬱様の耳元へ口を寄せてつぶやいた
「グルさんが呼んでます。来てください」
「ん？嗚呼、了解」
そういって鬱様は、また飄々とした態度と女をたらしこむ笑顔で、自身の周りの女性へ手を振る
「ちょっと上の人に呼ばれちゃったから、僕はここで失礼させてもらうなぁ」
「えぇ、残念ですわぁ」「もっとお近づきになりたいのに」「うふふ、また遊びましょう？」
なんだこの女たちは
歓楽街の遊女か？
それ以上近づくな、頼むから
フードしたで見えない視線だけで、彼女らにそれを訴える
しかし念程度が届くわけもなく、なんだこいつという珍妙な目を未だ向けられ続けていた
取り合う意味もなくなったことにようやく気が付き、私は鬱様の手を引いて、グルさんのもとへと戻る
グルさんが鬱様を呼んだのに、理由はなかったらしい
しかしこのようなよくわからない騒ぎを防ぐためにもと、今回の祝宴は幹部等全員でVIP席に留まることとなった
そんなこんなで、慌ただしく祝い事は幕を下ろす
昼に始まったそれは、終わる頃には既に夕刻だった
私はアレからずっと、何処か心の中にモヤがかかったままで
やはり去年のように友達と楽しむことができず、ただ立っていたことへの面倒くささと
鬱様の態度への呆れ
様々な感情が入り混じって、もんもんと思考するだけだった
誇り高きイストワール 【番外編 百六十五通目】→←誇り高きイストワール 【番外編 百六十三通目】
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檸檬 - めちゃくちゃ面白いじゃないですか。返してください、私の腹筋（）。番外編で夜中なのに「ゲルテェェェェェェェ！（感涙）」って叫んじゃいました。 (2021年5月23日 1時) (
レス) id: 1448aeacc9 (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最近更新が多くて嬉しいです。ありがとうございます。これからも応援しております。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ホタテおいしぃ - 熱い展開になってきましたね！ (2019年10月5日 11時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
nia(プロフ) - 更新待ってました！！！ (2019年9月29日 21時) (レス) id: dcff59daa3 (このIDを非表示/違反報告)
るるりぃ - ココラさんと同じく何故か胸が苦しくて・・医務室から逃げる場面から涙が出ました。更新頑張ってくださいね！みたら士さん！ (2019年8月28日 23時) (レス) id: 4b45e1db41 (このIDを非表示/違反報告)
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