21.久しぶり ページ22
※Mingyu side.
白い空間。
座るものが欲しいなと思えば、ふかふかのソファーが出てくる。
机と、彼女が来た時のためにノートとペンも欲しい。
ソファーに合う高さのテーブルの上にノートとペンが用意された。
筆談するならパソコンとか電子パッドなら楽じゃないかって思うでしょ？
でも、俺は彼女とのやりとりを残したいんだ。
今までのノートは…そうそう、この本棚にある。
現れた本棚から最初のノートを取って開く。
俺の字は相変わらず汚いなぁww
Aの字は日本語でもハングルでも丁寧で綺麗だ。
始めは間違いも多かったけど中学卒業くらいにはスラスラ書いてたんだから、すごく勉強してくれたんだろうな…
あぁ…久しぶりだ。1ヶ月くらいぶりかな？
俺のスケジュールがギチギチ過ぎて、最近全然この空間に来れなかった。
Aはまだかな…
あのフワッとする穏やかな笑顔に癒されたい。
隣にいるだけで微かに香るシャンプーなのか柔軟剤なのかはわからない優しい香りに包まれたい。
あの手は、頬は、髪は、絶対に柔らかくて抱きしめたら離せないんだろうな。
…触れられないけど…
そういえば、夢から覚めるのが怖くて、好きなタイプすら聞いてない…
あ、でも団扇持ってたっけ…
ジュニヒョン、カッコいいもんね…
ねぇ、
本当に何で俺のじゃないの…？
こんなに会いたいのに
こんなに触れたいのに
こんなに愛しいのに…
ここでのAは、俺に希望があるように思ってたんだけど…？
やっぱり、俺の妄想なの？
本棚にノートを戻すと、後ろから机をコンコンとノックする音が聞こえた。
振り向くと満面の笑みのAが居て、
「久しぶり」
って。
その形の綺麗な桃色の唇が動くんだ。
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作者名：chuka | 作成日時：2022年5月6日 12時
