支援物資回収作戦 ページ38
【ショッピングモール・エントランス AM10:00】
『すまない、遅くなってしまった』
パタパタとエントランスに向かって走っていると既に皆集合していた。
皆それぞれ十八番である武器を装備していてやる気満々だ。
「お、Aちゃんの武器は刀か〜。ってことは前線戦闘員?」
『軍曹さんはまだ様子見だと。鬱さんは弓矢なんだ』
確か鬱さんは後方支援だったか。
腰周りから下げられたクイーバーはかなり大容量の矢が入れられるようになっている。
『後方支援の鬱さんには何かと世話になることが多いだろうが・・・援護の方、よろしく頼む』
「気にせんとって〜たまにガバるけど。あ、夜の方の支援も全ぜ・・・グフッ!?」
「なにセクハラかましとんじゃワレェ」
おちゃらけた様子で言う鬱さんにスリーパーホールドをキメてるトントンさん。
本気で首を絞めてるけど鬱さん大丈夫かな?
「ホンマにお前は・・・ほらAも」
『うん、よろしくトントンさん』
そう言うとトントンさんは少しの間を開けたあと照れくさそうに「よろしく」と返してくれた。
会議室での言い合いは引きずらなくて良さそうだ。
「では出発する。くれぐれも警戒を怠らないように」
・ ・ ・ ・
かくして、支援物資回収作戦なるものは始動したが出発時は皆ゆったりと歩きながらの移動だった。
政府からの支援物資は毎日午後十二時きっかり、それまでに索敵場所に移動するそうな。
とにかく、今回は足でまといになってもいけないので大まかな流れを知るように心がけよう。
そして歩き始めて十数分、終始とある人物からの視線が気になっていた。
『えっと私に何か用かな──・・・ゾムさん?』
パリッとした常磐色のパーカーを着込みフードを目深に被っているゾムさんだ。
昨日私が記憶喪失だと知るやいなや頭を撫でて労ってくれた人だ。
話しかけた途端モジモジしてどもり始めたゾムさんを見てある仮定が思い浮かぶ。
もしかしてゾムさんもロボロさんと同じ類の男性なのでは?と。
女性恐怖症・嫌悪症ももちろん否めないが頬が少し紅潮している様子を見ると前者なのかもしれない。
いやでも私のような貧相な肉付きの女を女として見る物好きも・・・待って自分で卑下する悲しい。
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お星 - お久しぶりに見たらすごくなんかなんかねえっと発狂したうん! (2020年9月26日 14時) (レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 更新されてたからまた来ましたけど、超面白い……超好き( 超唐突 ) (2019年10月10日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
まんまる(プロフ) - すごく面白いです…。続きが気になります!応援してます!無理しない範囲で更新してくれると嬉しいです!楽しみに待ってます! (2019年7月28日 20時) (レス) id: 6af86988b7 (このIDを非表示/違反報告)
注射器(プロフ) - d!でこういう話は新しいですね…。文章も読みやすく、ストーリーも続きが気になるような素敵なもので凄いです……。 (2019年7月24日 18時) (レス) id: 91a8b31b94 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - ふぁー!!!はよ続き読みたいです!!!チノたんも居るの嬉しいです!!!!!マンちゃんの事さらに好きになりました(( (2019年7月12日 2時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みー | 作成日時:2019年7月10日 0時