無自覚ヤンヘラ製造機

第3話 ページ5

『待って初耳なんだけど･･･宿儺の器？秘匿死刑？』

そんな重大事項なら器が現れた時点で連絡が来るはずなんだけど。
潔高君に事の経緯を確認しようとしたが「五条さんの方が詳しいので･･･」と悟君への折り返し連絡を促された。

『むー･･･仕方ないか』

怒られるかな、と内心ビクビクしながらも私は悟君に電話を掛けた。
まだ仕事中かな？と思ったけどまさかのワンコールで電話に出てくれた。
かと思えば脳に響くような大声で話掛けてくる。

〈やぁっと連絡くれたぁ〜！！今まで何してたの！？〉

キーンと耳鳴りがするのを我慢して『ごめんね悟君、任務中だったの』と会話を紡ぐ。

〈ただでさえ会えないのに連絡取れないくらい忙しいなんて･･･上の連中潰そうか？〉

『仕方ないよ人手不足だから。でも気に掛けてくれてありがとう。それで何か用があったんだよね？』

連絡してきた旨を聞くと潔高君の言っていた通り宿儺の器についての連絡がだった。
器になったのは高校1年の男子高生。本来なら秘匿死刑になる予定だったけど「宿儺の指を取り込ませてから死刑にする」という執行猶予が付いて高専に入学するんだとか。

〈という訳で、明日原宿に集合できそ？〉

えっ、と内心で戸惑ってしまう。
明日は1ヶ月ぶりの休み･･･という邪念が過ぎってしまう。
いやいやいや、ここは生徒を優先しなきゃ！！

『大丈夫だよ！何時くらいに行けばいいかな？』

ああ、さらば休日･･･。と心の中で叫んだ私は悟りを開いた顔で悟君と明日のスケジュールの確認を行った。

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