荒野に咲き誇る紅い華 Ⅶ (ページ47)

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☆ ページ47

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『平野くん、すごくカッコよくなったよね～』

平野「えー？そうですか？」

『昔は少年って感じだったけど、今は男の人として成長してるなあって思う。って、こんなの年下のわたしに言われても嬉しくないか(笑)』

平野「いやいや！！嬉しいに決まってるし！」

『ふふ、良かった(笑)』

憧れの人にそんな風に言われてドキドキしない男はいない。

廉や岸くんがシノちゃんのことを溺愛してるのは分かってる。
それに二人がどれだけシノちゃんを大事に扱ってきたのかも見てきたから分かってる。

だから俺は好きにはならない。
二人のためにもきっとそれが正しい。

これまでもずっとそう、自分の中でストッパーをかけてきた気がする。

でも今はこの場に二人だけ。

…ちょっとくらいシノちゃんを独り占めしても、誰にもバレないよね？

平野「…シノちゃん！」

『ん？、えっ』

平野「わっ、危な、」

つい、出来心でシノちゃんに抱きつくと、細い身体は俺のことを支えきれずにぐらりと傾いた。

…そして冒頭に戻る。

『…平野くん？』

平野「、、」

『…あの、、』

ああ、やっぱりシノちゃん可愛いな。
肌めちゃくちゃ綺麗だし目大きいな。鼻高いな。唇ぷるぷるだなー…

…ちゅーしたい

、、今、俺何考えた？

『平野くん…？聞いてる？』

平野「えっ、あ、ごめんなさいっ！！」

『全然大丈夫だけど…(笑)』

平野「今日珍しくシノちゃんと二人でテンション上がっちゃった、、」

『そうだね、グループも違うし二人って無いもんね？』

平野「…うん、、」

ちゅーしたいってなんだよ。
俺何考えてんの？

我にかえると心臓がバクバクしているのが分かる。

いや、ダメだろ。
シノちゃんだけはダメだ。

…俺が手を出していい人じゃない。

分かってるのになんで。

今までにないくらいドキドキして、もっと触れたいなんて思ってんだよ。

落ち着け。とりあえず落ち着け俺。

『平野くん？大丈夫？体調悪くなった？』

平野「…シノちゃん、苦しい」

『え？大変…マネージャーさん呼んでくるね』

平野「待って、シノちゃん。ここいて」

『え？でも、、』

平野「隣、座って？」

『うん…』

隣に座り直すシノちゃんにぎゅう、と抱き付いた。

『…え、ひらのく、』

平野「こうしてたら、安心するから」

『、、』

答えなんて簡単だ。

…なんだ。俺、とっくにシノちゃんのこと好きだったんだ。

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