荒野に咲き誇る紅い華 Ⅶ (ページ2)

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＊全て狂わせてしまうページ2

滝沢サイド

初めてAに会った時を、俺は鮮明に覚えている。

ジャニーさんが連れてきた女の子。
その子には見覚えがあった。

滝沢「…子役の楢篠A？」

ジャニー「そうだよ。Aは4月からジャニーズJr.になるんだ。YOUも面倒見てやってよ」

『…宜しくお願いします』

全く信用されてない瞳で宜しくお願いしますと告げたAは、12歳とは思えないほど最初から完成されていた。

後から2004年には事務所に入っていたこと、これまでは社長の意向で所属事務所を明らかにしていなかったこと、元々中学生になったらジャニーズJr.になると約束していたこと、色んな話を聞いた。

『楢篠Aです。』

滝沢「滝沢秀明です、」

『存じ上げています。おじちゃんの期待の星でしょ。』

ジャニー「こら、A(笑)」

『でもおじちゃん、これからおじちゃんの理想のアイドルになるのはわたしだからね。』

ジャニー「はは(笑)期待してるよ。」

その後ジャニーズJr.として活動を始めたAだったけど、順風満帆とはいかなかった。

実力は人一倍あったけど、そのせいで周りのJr.に妬まれたり、ファンの人からの執拗なストーカーに悩まされたり。

それでも彼女はただひたすらに真っ直ぐ成長した。

なぜそんなに頑張れるのか、と一度だけ聞いたことがある。
Aは笑って『ここにしか居場所無いから。わたしを拾ってくれたおじちゃんに世界一のアイドルになって恩返しするんだ。』と教えてくれた。

岸という心強い味方をつけたAは、そこから神宮寺や岩橋など次々と信じられる仲間を見つけていった。

…しかし、その仲間も永遠には続かない。

それぞれがバラバラのグループに所属することになったからだ。

AがSixTONESになると初めて聞いたときは驚いた。
てっきり岸とずっと一緒にいるものだとばかり思っていた。

そのせいでしなくてもいい辛い思いをさせてしまったこともあった。
あの時ああしていれば、なんて後悔することもあった。

だけどAが弱音を吐いたことは一度もなかった。

そしてAはそのまま20歳になった。

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