初めまして、命の恩人です。2【東卍】

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今はエマちゃんの容態を確認するため、佐野家を訪問している。

『あれから体調はどう？悪化してる部分はない？』

「大丈夫、もうすっかり元気！」

ニコッと可愛らしい笑みを浮かべるエマちゃん。

この笑顔を守れて良かった…。


『ならもう安心だね。後遺症もなさそう』

「…本当にありがとう、命の恩人さん」

『ふふ、どういたしまして。

……この後ちょっとお話いいかな、マイキー君も』

ドアの前に隠れて話を聞いていたであろうマイキー君にも声をかける。

「……うん」


リビングから場所を変えて、マイキー君の部屋に案内された。

マイキー君にしては大人っぽいシンプルな部屋だ。

そして、本題に入る。

　
『話っていうのは、黒川イザナについて。

抗争のあと手術は成功して、いまは家で預かってる。
これから精神的なケアも行う予定。


……単刀直入に言うね。
イザナのこと、家族として迎えてくれないかな』


それがきっと、彼の幸せだから。


マイキー君とエマちゃんは顔を見合わせて頷き

「…それは、アイツ次第だろ」

「うん。ウチは今でも"お兄ちゃん"って思ってる」

と、言ってくれた。


『ありがとう…。イザナにそう伝えておくね』


長かった"兄弟喧嘩"が終わりを告げた。

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