91話 ページ11
「「はああ!?2年間もFBIに出向!!?」」
「嘘だろ…」
昼は松田、萩原、伊達と一緒に食べる約束をしていたので、2年間FBIに出向する旨を伝えたら、松田と萩原は箸を落として、伊達は心なしか落ち込んでいるように見えた。
「お盆や年末は帰ってくる予定だよ。FBIの方もそこはちゃんと調整してくれるって言ってくれたし」
「マジかぁ……萩原、お前すげえ絶望顔してんぞ」
「するに決まってんだろ!うちの紅一点がまさかの国外に行くんだぞ!しかもFBI!」
「2年はお前と手合わせができなくなるのか…」
「伊達は相変わらずだねえ。」
黙々とお昼を食べながら、なかなか良い反応をしながら取り乱している男共を見る。
「あーだからA、珍しく今日は牛丼がいいとか言わなかったのか。ちゃんとした日本食が良いって。」
「ご明察。向こうに行くと嫌でもアメリカナイズされちゃうからね…今のうちに日本食食べておかないと恋しくなっちゃうから」
「不摂生な生活すんなよ!なんせアメリカの食べ物って大量の油と塩と砂糖入ってるからな!」
「ならうちの米送ってやろうかA」
「君達はお母さんか?」
向こうに着いたら俺たちにも連絡いれろだとか、住所も教えて欲しいだとか色々言ってくる過保護な同期達だ。
はいはい、と適当にあしらっていたら、隣に座っていた伊達の大きな手で頭を乱暴に撫でられる。
「…お前さんは向こうでも上手くやれるだろうが、なんかあった時は俺たちにも連絡はちゃんといれろよ」
もぐ、と今しがた咀嚼した鮭を飲み込んで「…うん」と返事をすれば、正面にいた松田と萩原も頭を撫でて来た。
「伊達に同じくだ。なんせアメリカは危ないとこでもあるからな。どうせ赤井がお前に付くんだろうが、俺らにもちゃんと連絡入れろ」
「そうそう!ここ10年余り頼らなかった分、頼ってほしくもあるんだよね」
「………うん」
何だか恥ずかしくなって俯いてしまう。
良い成人女がイケメン共に撫でられている光景は端から見たらどんな光景に見えてるのだろうか。
恥ずかしいもんだから無心で食べ続けていたらシャッター音が聞こえ、何事かと見たら松田が私の写真を撮ったらしい。
「……何してるの」
「待ち受けにしようと思って。」
「はぁ!?何それやめてよ!」
「あ、松田〜それ俺らにも送って〜〜」
「おう」
「萩原!!」
食事そっちのけで騒ぎ出した私達3人を、伊達が微笑ましい目で見ながらこっそり写真に収めていたことは気付かなかった。
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ちゅん(プロフ) - 続編と番外編が読みたいのですが、パスワードって教えていただけないのでしょうか? (2022年4月22日 15時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
あいる - 初めまして!!こんな神作初めて出会いました。ほんとにほんとに素敵です。お気に入り作者にしてしまいました。パスワードのヒントと作品にてオススメという形で載せたいのですがダメでしょうか?? (2020年11月14日 23時) (レス) id: 23cef4f251 (このIDを非表示/違反報告)
眠猫 - 番外編のパスワード載ってないので教えてくれないでしょうか?作者作品一覧に載ってるのは違う番外編のパスワードのようなので……… (2019年1月28日 18時) (レス) id: b6571f87b9 (このIDを非表示/違反報告)
神無月(プロフ) - 作者の作品一覧の所にパスワードというか、ヒントが載ってますよ (2018年4月22日 19時) (レス) id: 7b5ab892e2 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 番外編を読みたいのですが、パスワードがわかりません。どうすれば?…… (2018年4月21日 21時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2017年12月16日 21時