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身体がとてつもなく重たくて、ゆっくりと起きあがったら、そこは見覚えのない場所だった。
まさか、誘拐でもされたのだろうかと不安になっている中、眼力がつよいおにいさんが突然現れる。

おにいさんはおれを見て、すごくびっくりしていたから、仮に誘拐だとしても、おにいさんが誘拐犯、というわけではなさそうだった。
羅生門、というちょっと変な名前のペット?と一緒にあそぶ。撫でたらきもちよさそうに目を細めていた。

「警戒心が無いのか、貴様は」

「うーん、りゅうさんが別にわるいひと、だとはおれ、思わないよ」

少し寒いのと、鼻がむずむずして「ぷしゅん」と変なくしゃみをしてしまった。
ズズッと鼻をすするおれに、りゅうさんはひとつため息をして、コートの前を開けて「ん」と短い言葉でおれを呼ぶ。
おそるおそるといった感じでおれはりゅうさんに近づいて、あぐらをかいてるりゅうさんの足の間に座った。

コートごとおれを包むようにしてくれたりゅうさんに、ありがとうとお礼を云う。
「風邪を引かれても困るだけだ」とそっけなくはあったけれど、やっぱりりゅうさんはわるいひとには見えない。

「ねえ、りゅうさん。さっき頼りになるひとを呼んだって云ったけど、それは誰なの?もう来るの?」

「もう来るだろう。御二方は貴様の事になると直ぐに…」

ばたばたと、外からの足音が中にも聞こえるくらいで、噂のひとが来たのかなと思っていると、勢いよく扉が開く音がして、思わずりゅうさんのコートをギュッと握る。
さらにそこからまた廊下をそんなに走らなくていいのにってくらいに走る音がして、「芥川君!Aは!?」とカッコいい声をした男の人の声がする。

「此処にいます。少し寒がっている故、今はこの様な状態ですが」

今しがたやってきたおにいさんと瞳が合う。
りゅうさんとは違う、黒くないコートに、胸元に光るみどりいろの石。ループタイっていうのかなあれ。
おれも思うくらいカッコいい男の人が、息を切らしていた。この人が、頼りになる人?

「ン゛ク゛ゥ゛……ッッ」

突然胸を押さえてうめき出した男の人に駆けよろうとしたら、りゅうくんは「何時もの事だ」と冷静だ。

「芥川君!其の儘!其の儘でね!!出来れば写真を5枚…否、最低でも10枚程度は!」

ぱしゃぱしゃとカメラで撮り出したおにいさんがちょっと怖くて、りゅうくんにしがみついたら何故かまた喜ばれた。

なんだろう。このおにいさん。

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遥@携帯の調子悪くて返信遅れます(プロフ) - コメント一括にて失礼します。最近携帯の調子悪いので…皆様お待たせしました。次の話でとりあえずは彼の話は一旦終わりとなります。最後まで書き切りますので、それまで見てくださると嬉しいです。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
至恩(プロフ) - お久しぶりです!わーい更新だー!って通知見て思いました! (2019年10月13日 7時) (レス) id: 77907255a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜の死神(プロフ) - わわ…!更新待ってました!これからも頑張って下さい! (2019年10月13日 1時) (レス) id: eb1a5cc196 (このIDを非表示/違反報告)
- どストライクで大好きな作品です!応援してます!! (2019年9月27日 13時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
フェルト - すごく大好きです!頑張ってください! (2019年9月26日 18時) (レス) id: 00cb91440a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年2月15日 19時

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