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・ドストエフスキー視点

何処から情報を仕入れたのか、彼女は、「最近、御友人が出来たそうですわね」とぼくにそう云ったのだ。
……この方がこう云ったという事は、彼の素性については粗方調べているのだろうし、こうやって聞きに来た、という事は何故一般人と友人になっているのか、という事なのだろう。

「云っておきますけど、危害を加える心算なら、ぼくとて容赦はしませんよ」

「あら、御執心ですのね。心配しなくても、只の一般人に手を出す程、私も暇ではありませんもの」

……などと云っていた癖に。直接接触する程度には気にはなっていた癖に。流石は近衞騎士長。本当に喰えない。
英国の異能特務機関、時計塔の従騎士の近衛騎士長、デイム・アガサ・クリスティ爵。
探偵社やマフィアなんかよりも、ずっと手に負えない。何せ、世界最強とすら呼ばれる異能者達が集う国の異能特務機関、それを束ねる近衛騎士長なのだから。

彼女が暇ではない事は分かってはいたから、少しばかり彼について話してしまったのが痛手だった。
忌々しい、と爪を噛むと、がしりとその手は掴まれる。

「噛むな莫迦」

………ぼくに、莫迦なんて宣うの、本当に君くらいですよ。

「君が、ぼくに普通にご飯奢ってもらうの、珍しいですね」

「そういう気分だったの」

「寂しかったんですか」

「生きてるか心配だった」

……何かあったのだろうとは、容易に想像付く。
如何せ、またマフィア絡みなのだろうとは思った。太宰君がマフィアを抜けたという話は小耳に挟んだし、きっと、其れ関連なのだろう。

「俺はドス君が如何いう人間かなんて、今更如何でもいいんだけどさ、危ない世界できっと生きてるんだろうっていうのは、想像付くけど」

「………」

「死んじゃったら、如何にもならない。何も伝えてやれないから」

だから偶には連絡いれろよ、和菓子じゃなくて。
と付け加えられた。
死の鼠の家の頭目を前にして、如何いう人間かなんて、如何でも良いだなんて。

「………君本当、そういう…」

「は?」

「何でもないです」

癪だけど、彼女が「存外悪くない」と云っていたのは、きっと、立場も何も気にせずに接してくれる、こういうところなのだろうな、と思った。


××××××

メリークリスマス!
クリスティ爵とドス君とデート()する話書きたかったので満足です

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(プロフ) - 勿論不快にさせた事実は変わりませんが、改めまして女狐呼びは後日修正させていただきます。公式からの呼び名がもし出たらその際はまた変えるかもしれないです。今回はお騒がせしてしまい申し訳ありませんでした。 (2019年7月28日 1時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ららさん» 妲己、というのもよく考えたら失礼かなと思ったので追記を。前記の通りキャラを貶す意図はなく、クリスティ爵の残酷な面が垣間見える彼女の言葉一つで街を焼ける、といった権力の強さに狐であった妲己のようだ、といった自分の解釈もあります。→ (2019年7月28日 1時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 呼び方の方は後日修正させていただきます。コメントありがとうございました。 (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 誤解を招くようですが、クリスティ爵はとても好きです。映画で動いて声もついたのは本当にとても嬉しかったです。映画のイメージで「こう言う感じの方かな」と言ったイメージが先走ってしまって申し訳ありません。それと夢主持ち上げ、というよりはその辺の→ (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ららさん» といった意味で女狐呼びをさせていました。軽率にしてしまい申し訳ありません。情報が少ない方なので、私なりの解釈等も混ざってしまい、呼び方等に不快な思いをさせてしまって申し訳ないです。決してキャラを貶すために使ったものではありませんでした。→ (2019年7月27日 23時) (レス) id: 5776c56060 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年11月13日 18時

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