ヨコハマのヤベー奴らと一般人くんの日常 弐【男主】

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地下鉄を降りて、駅から歩いて数分の場所に横浜ランドマークタワーは存在する。
超高層ビルだから、割と近くまで来るとその大きさは圧巻だ。

「思っていたよりも大きいですわね」

「日本で5番目の高層建築物ですからね、一応」

「でもShard London Bridgeよりは小さいかしら」

「……ザ・シャードの事ですか？確かEUの中では一番高い高層建築物ですよね」

「お詳しいですわね」

「矢っ張りクリスティさん、イギリスの方なんです？」

「ええ、そうですわ。でも矢っ張り、とは？」

「勘ですよ。あと雰囲気が英国の淑女みたいだなぁと、思いまして」

目的地には着いたものの、此れから如何するのかと聞けば、如何やら展望台がお目当てとの事だ。
然し、如何せなら夜景が見たいとの事なので、ランドマークタワー内のショッピングモール等で時間を潰す事にしたらしい。

「此処まで付き合って頂いたのですから、お礼致しますわ。」

「いやいやいや、そんな悪いです。俺は単に気分転換も含めてですから御礼なんて、」

「如何せ此処まで来たんですもの。私の買い物にも付き合ってくださいませんか？その分付き合ってくださった御礼も含めてですわ」

「買い物を付き合うのは全然構わないですが、御礼なんて本当に大丈夫ですから！」

「あら。殿方にエスコートされているままでの私ではありませんわよ。御心配なく。此れでも自分で稼いでおりますの」

上品なバッグの中から取り出された、俺でも知っているブランド物の財布の中からチラッと見せられたのは、俺では一生手に入る事すら無理であろう、アメリカン・エキスプレスのクレジットカードが見えた。
………要するに、ゴールドの更に上、ブラックカードと云われるトンデモカードである。

其れを見て固まってしまった俺を見て、ニッコリとクリスティさんは笑う。
腕を引いてグイグイとランドマークタワーへと連行されていく。お淑やかな見た目なのに、結構腕を引く力は強い。何処からそんな力が出るのか。



ヤダ…俺が遭遇する人達、高確率で金持ち多すぎ…？






「そんな怯えなくても、後から請求なんてしませんわ」

「否、請求よりもその財力と奢る気満々なのも如何かと」

「女性に奢られるのは厭なのかしら？」

「此処は俺が持つところでは…」

「ふふふ。(鼠の云っていた通りね)」

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