ヨコハマのヤベー奴らと一般人くんの日常 弐【男主】

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「余程の用事じゃない限り、極力外に出ないで」

と、ある日突然太宰にそう云われ、俺のマフィアホイホイっぷりにとうとう俺の人権は剥奪されたのかと思ったが、如何も云い方は濁すが、まあマフィア絡みで何かしらあったらしい。
無いとは思うが、念の為俺にも気を付けて欲しいとの事だ。

そう云われて仕舞えば頷くしか無く、バイト等も少しだけでも早めに上がれるように調整して貰った。
まあ横浜だし、何かしらあるのだろう。何せポートマフィア幹部様直々の警告だ。素直に聞いておかねば、命は幾つあっても足りない。

「とうとう人権剥奪されたかと思った」

「確かに人権剥奪も辞さない程君のマフィアホイホイっぷりは頭が痛くなるけど」

「人権剥奪視野に入れてた時点で怖いよ… っていうか其れ云う為に態々来たの？」

「……相手が割と厄介そうでね。直接云った方が危機感は持ってくれるだろう？」

………思っていたよりもやばいらしい。
其れ以上は深く追求しない事にした。聞くのも怖いし、確かに危機感は持てる。

「まあ其れは其れとして御飯食べに行こう！」

「食べに行こう！？今しがた余程の用事じゃなければ外に出るなと仰りませんでしたか太宰様！！」

「私と織田作が一緒に居るから善いのだよ。中也と一緒に食べに行ったらしい拉麺屋に私も一緒に行きたいのだけれどね？」

「えっ 織田さん居るの」

「下に待機してるよ」

其れならば待たせるのも悪いと思い、部屋に干してあるパーカーを羽織って直ぐに靴を履いた。

「ねえ」

……何処か困った様な、悲しげに見える太宰から呼び止められる。

「織田作と最近仲良いじゃない」

「……そう思う？」

「少なくとも、私と中也はそう思ってるよ」

「まあ、色々話は聞いて貰ってるよ」

太宰や中也、龍の事とか。とは決して云えなかったが。

「其れは、私には云えない事なのかい」

絞り出した様な太宰の声に思わず目を見開いてしまう。
云えない事、ではあるが、今云ったところで其れは太宰にとっても、俺にとっても、今は如何にもならない事なのだ。
だから何もその言葉には返せなかった。「織田さん待ってるなら早く行くぞ」とだけは答えた。






太宰の顔は、見れなかった。

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