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「で?何か食いたいモンでもあるか?希望があるなら其処まで行くぞ」
「あー、そうだなぁ。あっそうだ商店街!商店街にある拉麺屋に行きたい!」
「……そんなとこで良いのか?奢りだつっても遠慮しなくて善いんだぞ。高いところでも構わねえし」
「俺庶民舌だから!あんまりお高いものはちょっとね!!」
何で太宰君といい、中也君といいそんなにお金持ってるのとは空気を読んで突っ込まなかった。
太宰君から貰ったあの高級包丁恐れ多くも使ってはいるものの、ド庶民な俺には未だにおっかなびっくりな品物である。
「世の男子学生の昼食なんて拉麺が定番だよ」
「そんなモンなのか?俺ァあんまり拉麺食った事ねえからよ」
「丁度良いじゃん。其処の拉麺屋美味しいんだよ」
乗ってみても見た目からしても分かっていたことだが、このバイク、バイクを全然知らない俺でも結構良いものなのでは…と思う。若しやこの2人はお金持ちのお坊ちゃんなのでは…
俺の庶民メンタルでは、高価な物など恐れ多くて眺めるだけで実は精一杯なのだが、今現在跨っているこのバイクの値打ちは正直考えたくない。
「つーか、太宰の野郎もあの日に御礼しに来たんだろ?太宰には何をして貰ったんだ」
「…して貰ったというか、貰ったというか…俺じゃ届かない様な値打ちであろうオーダーメイド品の高級包丁を頂きました…」
「仕舞ったな。俺もそんな感じのにすりゃ良かったか」
「エッやめて!?これ以上庶民メンタルボコボコにするのやめて!?」
太宰君と対抗意識でもあるのか、更に高級品を俺に送ろうという心算の中也君を慌てて止める。
俺の質素で普通なご飯に対する御礼が余りにも釣り合ってなさすぎる。寧ろ俺が御礼しなきゃいけないレベル。
「まあ手前と飯食いに行ったってだけで太宰の野郎の悔しがる姿が目に浮かぶな」
「俺実は太宰君に懐かれてんの?」
「大分今更すぎねえ?」
寧ろ何で2回くらいしかご飯ご馳走したくらいなのに懐かれると思うのか。
このセレブ達(仮)にとって庶民飯は良い勉強というか知らない味で刺激的だったのだろうか。悪い意味では無く、如何やら良い意味の様だから、其れは素直に嬉しいんだけれど。
「今度は俺も材料買って来るから俺にも作ってくれ。生姜焼き食いたい」
「今からご飯なのに別のご飯の話題持ち出すの凄いねえ中也君」
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零 - 未だに太宰のSSRが来ない😭(やり始めて1年半です) (3月4日 6時) (レス) @page38 id: 384173ed73 (このIDを非表示/違反報告)
安息香酸 - コメント失礼します。もし良かったら番外編のパスワード教えて頂きたいです! (9月8日 14時) (レス) id: 7f39e79d81 (このIDを非表示/違反報告)
おしとう(プロフ) - ミナさん» コメント失礼致します。もし可能でしたら番外編のパスワード教えていただきたいです!! (2023年3月4日 21時) (レス) id: b3cffe0f1c (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 番外編のパスワードを教えてもらいたいです! (2022年3月12日 18時) (レス) id: edad4e8a78 (このIDを非表示/違反報告)
ama846(プロフ) - コメント失礼します。もしよろしければ番外編のパスワードを教えて頂けませんか? (2021年12月19日 21時) (レス) id: bfb29f0477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遥 | 作成日時:2018年9月28日 16時