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・中也視点


あれから渡瀬に礼を云ってから家を後にした。
後日俺も俺で礼をする事にし、都合の良い日を聞く為に番号を交換した。隣で太宰は狡いだの何だのと喚いていたが、携帯を忘れてきた手前が悪いと鼻で笑ってやった。
……出会い方があれなのに、挙句今日初めてあったような人間な上に、マフィアとあっさり番号を交換する渡瀬の警戒心の無さに若干心配にはなるものの、控えておいた方が後々良いだろう。

……まあ、あれだ。美味い飯はいい。其れだけだ。

帰り道、太宰は隣で「な〜〜んで中也と渡瀬君あんな仲良くなっちゃうかな〜〜〜〜」と恨み言のように、態と語尾を伸ばしながらずっと云っている。五月蝿え。

「ハッ、何だ、いつも好き勝手場を引っ掻き回す手前らしくねえじゃねえか。」

「煩いなあ彼は一般人だよ。流石の私でもその辺は気を遣うさ」

きっと、太宰が彼処まで気を遣うのは渡瀬位だ。
矢張り一般人ということもあり、流石の此奴も距離を測りかねているのか、お人好しの彼奴の前だと調子でも狂うのか、太宰にしては割と奥手だ。

「で、手前は何で先刻、あんな人でも殺しそうな面してたんだ」

「……白衣には余り好い思い出は無くてね」

「…ああ」

成る程な。

聞いた話だと渡瀬は看護学生らしい。
成績も優秀、そしてあの人柄だ。御人好しで世話を焼くのが上手い彼奴からしたら確かに何れは天職になるのだろうなとは思う。
そして同時に思った。あの人を見たら渡瀬はどう思うのだろう、と。そして俺たちの事も。

「渡瀬にはマフィアだとかそういう話はする気はねえのか」

「今のところはね。彼も怪しいとは思ってるのだろうけれど、何も聞かないし、君とも番号は交換するくらいだから、別に警戒はしてないとは思うよ」

「……此処じゃ命取りだけどな」

「まあね。けれど彼のご飯を食べられなくなるのは厭だからねえ…」

すう、と目を細めた太宰の瞳は酷く冷たい。温度が氷点下にまで落ちたかの様に落ちたその瞳は、渡瀬の前では決して浮かべないものだった。
こんな目をマフィアにいる間は常時している様なこの男に、料理一つで胃袋を掴む渡瀬も大層なモンだなと思う。

「という訳で中也、私にも彼の番号教えて」

「手前で聞け」

本当に何で此奴は渡瀬の前だとこんな奥手なのか。不器用か。



俺の携帯を奪おうとする太宰をあしらいながら、俺よりも太宰よりも、ちゃんとした飯を食うべき奴が1人いたな、と何と無く思い出したていた。

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- 未だに太宰のSSRが来ない😭(やり始めて1年半です) (3月4日 6時) (レス) @page38 id: 384173ed73 (このIDを非表示/違反報告)
安息香酸 - コメント失礼します。もし良かったら番外編のパスワード教えて頂きたいです! (9月8日 14時) (レス) id: 7f39e79d81 (このIDを非表示/違反報告)
おしとう(プロフ) - ミナさん» コメント失礼致します。もし可能でしたら番外編のパスワード教えていただきたいです!! (2023年3月4日 21時) (レス) id: b3cffe0f1c (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 番外編のパスワードを教えてもらいたいです! (2022年3月12日 18時) (レス) id: edad4e8a78 (このIDを非表示/違反報告)
ama846(プロフ) - コメント失礼します。もしよろしければ番外編のパスワードを教えて頂けませんか? (2021年12月19日 21時) (レス) id: bfb29f0477 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月28日 16時

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