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Love at first sight *弟者 ページ1

※人外設定アリ
[弟者side]

綺麗な満月だったなあ…

ひと仕事終えて兄者に連絡を入れながら、俺は廃工場の屋根の上で同じく仕事を終えて沈もうとしている月を眺めていた。
今回の仕事は小さなマフィア組織を潰すこと。俺一人で対処できる簡単な仕事だった。

しかし俺が屋根から飛び降りようと動き出した瞬間、視界の隅で何かが動いた。
…マズい。そう思った直後、腹部に激痛が走った。
しかし俺は冷静はを保ったまま、片付け損ねていた男に銃を向け、パンッと乾いた音を鳴らす。
頭を撃ち抜かれた男は静かにその場に倒れた。

俺は周りを確認しながらゆっくりと屋根から降り、自宅兼事務所へ帰ろうと足を進める。

ああ、だんだん明るくなってきたな、今は4時くらいか。そういえば明け方から雨が降るかもっておついちさんが言ってたような…早く帰らなきゃ…

そんな俺の意思とは裏腹に歩調はどんどん遅くなる。そして遂に倒れ込んでしまった。

最悪のタイミングで降り出した雨と俺の血が混ざった臭いが鼻をつく。

え、俺こんな所で死んじゃうの?嘘でしょ、ダサすぎない?俺普通の人間じゃないんだよ?この程度の怪我で死んだら兄者やご先祖さまに馬鹿にされちゃう。でも力が抜けて動けないや…兄者…おついちさん…

意識を手放した俺に冷たい雨が容赦なく打ちつけた。

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ピピピ…ピピピ…カチッ

今日は土曜日、現在の時刻は午前4時。休日の朝早くにアラームをかけている私は土曜日の早朝ドライブを習慣にしている。
洗面所で顔を洗い、車のキーを持って、兄を起こさぬようにと静かに階段を降りる。
私が店主を務める1階の古書店の休日の営業は昼からである。古書店の裏口を出るとそこには無駄に広いガレージ。
そこには私の車と兄の車が止まっているがスペースは有り余っている。
私は愛車にキーを挿し、いつものルートに車を走らせた。

少しすると雨が降ってきた。そういえば昨日のニュースで雨が降るって言っていた気がする。

車を走らせていると見えてきたのはルートの途中にある廃工場。裏社会の情報屋である兄が「夜は危ないから近づくんじゃねぇぞ」って言ってたなあ、と考えながらいつも通り角を曲がると、少し先の道の端に大きな何かがある……いや、いることに気がついた。

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作者名:shirö | 作成日時:2018年7月9日 23時

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