猛毒*75* ページ34
＿＿Law＿＿
病院の外へ出れば当然だが何も変わらない景色があった。
能力を最低限で抑えるにはなるべく霧の中心からでなければいけない。
俺は空を見上げ、霧のふくらみが一番高い場所を探しその真下へ向かって歩き出した。
だが元々町の中心に病院があった為に大きな移動はせずに済んだ。
「…この辺りか」
地面を足でこすり、それとなく目印をつける。
そして視線を正面に戻したとき、見覚えのある姿が二つこちらへ向かってきていた。
「あっ、いたいた！」
「キャプテンー！」
俺が町に入る前、隠密チームへの援護に行かせたペンギンとシャチ。
その背には何か大きな袋のようなものを抱えている。
「すぐに見つかってよかったです！」
「心配ないとは思ってたけど、無事に会えてよかったぁ」
俺を見つけた途端に猛スピードで傍までやってきた二人は少し息を上げながらそう言った。
つなぎが汚れてはいるが来たところ無傷。俺はバレないように安堵の息を吐く。
「…その背負ってる袋はなんだ」
「あ、これですか？これはキャプテンがバラした二人ですよ」
「後の敵は全員拘束して皆と一緒に船にいるんで、ついでにこいつらも回収をと思って」
「全員無傷なんだろうな」
「それはもう勿論！キャプテンのクルーですから！」
「Aもかすり傷一つついてませんよ！」
ペンギンからクルー全員の無事、シャチからAの無事を聞いて
いつの間に握っていたのか、拳から力が抜けた。
これで後は、毒霧だけだ。
「お兄ちゃんーっ！」
紫色の霧を眺めていれば、聞き覚えのある声が聞こえて振り向く。
そこには薬屋の車椅子を押すジル屋と、その弟。
それと大勢の餓鬼ども。
まぁついてくることは予想してたから良いだろう。
「ミフタルさんに聞いた！完成したんだね！」
「あァ、薬屋のお陰でな」
「いやいや、君が持ってきてくれたサンプルがあったからこそだよ」
「ふふふ。
……ところで、その人たちはだれ？」
俺と薬屋の会話を聞いて笑っていたジル屋は俺の後ろに立つ二人を指さして言った。
面倒くさかったが、一応お互いを紹介しておいた。
それと薬屋たちには敵がもう誰一人いないことも伝える。
すると全員が驚きの表情を浮かべ、餓鬼の何人かは泣き出す。
俺は呆然としているジル屋に話し掛けた。
「…ジル屋」
「ぁ、な、なに？」
「お前が、"自由”になる瞬間だ」
「え…？」
「＿＿＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 454人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛月のさぶ。(プロフ) - Nakoさん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます！良かったです！ぜひ楽しんでください😊 (7月1日 14時) (
レス) id: e8fb34f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - すみません。見られました！ (7月1日 14時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - 中編集がみらません。年齢制限の変更はどうやりますか？楽しくて何回も読んでいます😊 (7月1日 13時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - aimerさん» レスを付け忘れていました…。また不明点などありましたらお気軽にお声がけ下さい！ (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - コメントありがとうございます！中編集の方はアプリでは閲覧できませんので、ウェブから占ツクのサイトへアクセスして頂いて、それでも見つからない場合は設定から年齢制限の変更が必要になります。探して頂いてありがとうございます…中編集でお待ちしております。😊 (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：凛月
| 作成日時：2023年2月15日 1時
