猛毒*72* ページ31
この島全体に響いた轟音は、町にいるであろうキャプテンにも聞こえただろうか。
「う、噓だ………あの方角は…！！」
「暴れるな！」
曇天の空に向かって上がる煙。
それを見て暴れ出したレオンをジャンバールが抑えた。
『あの方角は、何？大事なものでも置いておいたのかしら』
「ッッ！！！」
「船を探してたみんなが見つけたのかな？」
『そうみたい』
万が一にも逃がすような真似はしないとわかっているけど
これで本当にこの海賊団はこの島から逃げられなくなった。
『…さて、霧のせいで皆はキャプテンたちと合流できないだろうし
そのうち戻ってくるのかな』
「多分戻ってくると思うよ。船を壊した後の指示は出てないし…」
『そう…』
少し目を閉じて意識を集中させれば、仲間の気配と一緒にいる別の気配を二つ感じた。
『……お客さんを二人連れてるみたいね。拘束具の準備が必要だわ』
「さっき言ってた仲間かな」
『間違いなくそうでしょうね…ここで戻ってくるのを待ちましょ』
「それはいいが、お前は中で体を休めていた方がいいんじゃないのか？」
大人しくなったレオンを甲板の柵に縛り付けながらジャンバールが言う。
「そうだよ！まだ完治してないんだし…」
ベポも同意見らしくジャンバールに賛同するが、私は首を横に振った。
『そもそもみんなが動く羽目になったのは私の責任だし、島の人たちを助けてほしいってキャプテンにお願いしたのも私。ここであの霧が消えるのを見届けるまでは動けないよ』
「そっか…でも無理しないでね。おれがキャプテンに怒られちゃうよ」
『分かってる。キャプテンにこってり絞られたもの、心配しないで』
あの霧の檻は副船長のガメルの能力によるものだとレオンは言っていた。
例えその能力が、持続させる対象に周りの干渉を一切受けさせないものだったとしても
キャプテンの能力領域に入ってしまえば関係ないだろう。
キャプテンが使うあの青いサークルは、効果範囲を限定することによって代わりにその領域内を絶対的な無敵空間に仕上げることができる仕組みだと私は認識している。
サークル内のあらゆる物質や生物、現象に至るまでが文字通りキャプテンの手術台の上。
私は仲間たちが戻ってくるのを待ちながら
あの霧の前に青色がかかるその瞬間を想像していた。
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凛月のさぶ。(プロフ) - Nakoさん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます！良かったです！ぜひ楽しんでください😊 (7月1日 14時) (
レス) id: e8fb34f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - すみません。見られました！ (7月1日 14時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - 中編集がみらません。年齢制限の変更はどうやりますか？楽しくて何回も読んでいます😊 (7月1日 13時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - aimerさん» レスを付け忘れていました…。また不明点などありましたらお気軽にお声がけ下さい！ (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - コメントありがとうございます！中編集の方はアプリでは閲覧できませんので、ウェブから占ツクのサイトへアクセスして頂いて、それでも見つからない場合は設定から年齢制限の変更が必要になります。探して頂いてありがとうございます…中編集でお待ちしております。😊 (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛月
| 作成日時：2023年2月15日 1時
