猛毒*61* ページ19
＿＿＿死ぬ、と思った瞬間
私は全身に能力を発動させた。
しかしそれは何かを取り出すためではない。
「ッ！？」
『私の中で、大人しくしててね』
男が振りかざした武器と腕は、私の体に当たると同時に波紋を広げ、異空間へ投げだされた。
傍から見れば私の体に男の腕が食い込んでいるように見えるだろう。
実際は私にも男にも痛みや温かさといった感覚はない。
そんな現状が吞み込めないのか、男は腕を引き抜こうと暴れる。
けれど私の意志がなければ異空間から何かを抜き取ることはできない。
むしろ私はこの男を"取り込む対象”として指定しているため
男の体はどんどん私の体に飲み込まれていく。
私の能力は体内にある異空間にあらゆるものを収納できる力。
やろうと思えば生物だって収納できる。
「クソッ、ただで済むと」
男はすべてを言いきる前に完全に異空間に取り込まれた。
それによってオペ室は最初から何もなかったかのような静寂が訪れる。
『…びっくりした』
はぁ、と溜息を吐く。
まさか自分が狙われるとは思ってなかった。
そもそも敵船に乗り込むなんて真似をどうしてこんな奴らが。
余程の阿呆か、それだけ奇襲能力に自信があったのか。
取り敢えず、閉じ込めたこの男から情報を聞き出さないと。
『ベポ！ちょっと来て！！』
スゥ、と息を吸い、出しうる限りの大声でベポを呼ぶと
彼はドタドタと足音を鳴らしながらすっ飛んできてくれた。
「Aどうしたの！？」
ベポは一見、なんともなさそうに見える私に安堵したが、
たった今この部屋で起こったことを説明するとみるみる顔を青くしていった。
『そんな顔しないで。私も全く気配を感じられなかったから、
二人が気付かなかったのも仕方ないよ』
「うん…」
あっさり敵の侵入を許してしまったことでしょんぼりしているベポ。
その肩をぽんぽんと叩き、寝台ごと甲板に連れて行ってほしいと頼む。
ベポは「任せて！」と言い、寝台のキャスターからストッパーを外した。
「そういえば、さっき島の中から大きい音が聞こえたんだ。
もしかしたら戦いが起きてるのかも…」
船内を移動中、ガラガラと寝台を押しながらベポがそう教えてくれた。
それにより、私の予想が当たってしまったと確信する。
「……キャプテンたち、大丈夫かなぁ」
『…大丈夫よ』
心配そうに呟くベポに、私は笑う。
だって私達のキャプテンだから。
何があっても絶対に大丈夫。
＿＿＿＿ね、キャプテン。
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凛月のさぶ。(プロフ) - Nakoさん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます！良かったです！ぜひ楽しんでください😊 (7月1日 14時) (
レス) id: e8fb34f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - すみません。見られました！ (7月1日 14時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - 中編集がみらません。年齢制限の変更はどうやりますか？楽しくて何回も読んでいます😊 (7月1日 13時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - aimerさん» レスを付け忘れていました…。また不明点などありましたらお気軽にお声がけ下さい！ (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - コメントありがとうございます！中編集の方はアプリでは閲覧できませんので、ウェブから占ツクのサイトへアクセスして頂いて、それでも見つからない場合は設定から年齢制限の変更が必要になります。探して頂いてありがとうございます…中編集でお待ちしております。😊 (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛月
| 作成日時：2023年2月15日 1時
