猛毒*53* ページ11
目を開けた瞬間、眩しい光が瞳孔を刺激して視界が眩む。
『んっ…！』
思わず眉間に皺を寄せるが、段々と明るさに目が慣れてきて周りの景色が映り込んでくる。
見慣れた医療器具に、点滴。
ここはポーラータング号のオペ室だ。
「！A！！」
『ぁ…イッカク……』
私の顔を覗き込み、良かったぁ、と涙ぐむイッカク。
「意識はハッキリしてるみたいね…体は？どう？」
『……手足が、少し動かしずらいかな。後は問題ない』
「そう…」
イッカクは安堵の息をつき、私が血だらけの状態でシャチとペンギンに抱えられて来たことを教えてくれた。
キャプテンがすぐに治療してくれたことも。
『キャプテン…皆は、今どこに？』
「今は皆で作戦会議中よ」
『分かった、ありがとう』
イッカクから話を聞いた私は、体を起き上がらせ邪魔なコードを引き剥がす。
「ちょっと！何してるの！？」
『キャプテンのとこ…行かないと……報告…』
「なっ…！？何バカなこと言ってるの！！そんな体で動けないわよ！！」
『これくらいなら動けるよ…』
寝台から降りようとする私を止めようと、必死になるイッカク。
私はそれを無視して点滴を支えに立ち上がる。
手は思ったように力が入らないし、足の感覚も鈍ってるけど、歩ける。
「ねぇA！！ダメだってば！待って！！」
静止の声に耳を貸すことなくヨタヨタと扉へ進めば、イッカクは私の前に立ち塞がって通せんぼをした。
『イッカク…お願い、そこ退いて…？』
「…ダメ、だってば。私はキャプテンにAを看るように任されてるの。
きっと目が覚めたら無理して起き上がるだろうからって」
キャプテン、私のことよく分かってるな…。
いつもは嬉しいそれが、こういう時は少しだけ嫌になっちゃう。
「…キャプテン、ずっとAの手を握ってた。
私が報告に行った時も、血を流してるAを見た時も、すっごく動揺して…心配してた。勿論私や皆もそう」
『……でも、』
「これ以上心配掛けさせないでよ！Aを運んだ二人や、必死になって治したキャプテンの気持ち考えて！このバカ！！」
『痛っ！！？』
バシィッ！！と乾いた音が部屋にこだまし、私は叩かれた場所を両手で押さえ床にへたり込む。
今ので不意を付かれ、完全に力が抜けてしまった。
もう立てない…。痛い…。力強い…。
『うぅ…』
イッカクはポロポロと涙を零しながら腕を組み、「ふんっ」と鼻を鳴らした。
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凛月のさぶ。(プロフ) - Nakoさん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます！良かったです！ぜひ楽しんでください😊 (7月1日 14時) (
レス) id: e8fb34f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - すみません。見られました！ (7月1日 14時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - 中編集がみらません。年齢制限の変更はどうやりますか？楽しくて何回も読んでいます😊 (7月1日 13時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - aimerさん» レスを付け忘れていました…。また不明点などありましたらお気軽にお声がけ下さい！ (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - コメントありがとうございます！中編集の方はアプリでは閲覧できませんので、ウェブから占ツクのサイトへアクセスして頂いて、それでも見つからない場合は設定から年齢制限の変更が必要になります。探して頂いてありがとうございます…中編集でお待ちしております。😊 (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛月
| 作成日時：2023年2月15日 1時
