ヌナとネオカル男子たち （3）

■ 私以外私じゃないの ページ10

…






深夜、弟たちが新曲をあげた。
久しぶりのWayVのカムバックである。


「姉さんは出るのかな？」

「Aお願いだからカムバに参加して！」


なんて、ペンの声を裏切るように、私は今回参加はしていない。

一足早く、中国から韓国へ行ったスーチョンからメンバーたちの写真が送られて来るのを横目に私は未だに中国にいる。





深夜に広い部屋

それは流石に寂しくなるのにもってこいなので、時間なんて気にせず彼に電話をかけた。

何コールかするうちに、「……はい」だなんて低い声で出たのは、テイルである。




tl「A、？おかしいよ、時間見て」

「え〜？夜中の2時？」

tl「俺は寝てるの、なんで電話なんか…」



ぶつぶつ文句を言ってる彼だけど、電話を切らず話を続けてくれるのは彼の優しさである。




tl「それでどうしたの、なんかあったんじゃない？笑」

「WayVのMV見た？」

tl「うん見たよ。ウィンウィニが可愛かったな」

「……ふぅん」

tl「なに？本当のこと言っただけじゃん。
….それともあそこにAがいたらいいなとか言えばいい？笑」




なんなんだこいつは。
私が気にしていることを察したかのように言語化してきて。



「1人で活動してて思うのよ〜…
やっぱり私だってグループで踊りたい、」

tl「俺だって今だにイリチルにいるAのこと引きずってるけど？」

「ねぇ、テイラ。
なんとかしてくれない？最年長の特権として」

tl「無理だよ笑
俺にそんな力ないから」



この人を前にすると、年上という重荷がスッと降りて
ありのままの自分が出せる気がする。









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