ぬらりくらりと 2

58話 ページ13

飛び出したリクオを探していると庭の端っこで座り込む姿を見つけた。

『リクオ？何かあったの？』
「･･･妖怪は嫌な奴だって、悪い奴だって言ってた。」

泣きそうになりながら座り込むリクオに聞くとそう呟いた。リクオが妖怪を嫌う日。妖怪が嫌な奴･･･ね。

『リクオ。お前の周りにいる妖怪は嫌なやつか？』
「？？うんん、違うよ。」
『そうだよな。』
「？？？」

質問の意味が理解できていない様子でこちらを見上げるリクオ。答えを知っていて、知らない。今、知ってしまえば楽なのだろうか、やはり悩む。

『リクオはみんなが好き？』
「うん！好きだよ！にいちゃんも！」
『ありがとう。それが答えなんじゃないか？』
「？？？」

リクオは決して弱い子ではない。その力で道を切り開いて行って欲しい。なんて、変かもしれないがそう思ってしまった。前の世界で自分が惹かれた存在は悩み、自分で結果を出した若頭に。それが畏れなのか分からないが成長に必要なものだったらいくらでも付き合うと心に決めながら。

『リクオ、まだ時間はあるよ。ゆっくり考えて自分が正しいと思った道を選べよ。俺はいつでもお前の味方だから』

リクオにそう伝えると、分かったのか分かっていないのか分からない表情で頷く。それを見た俺は満足し、リクオの手を引いて家に戻った。

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