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「へえ、Aはサバナクロー寮なのか」
「意外だよね〜、オレてっきりポムフィオーレ寮だと思ってたもん。それかハーツラビュル。
____でももっと意外なのはトレイくんが動物好きだったことかな」
しばらく、他愛もない話をしていた。
机に頬杖をつきながらこちらを眺めているケイト先輩と、「そうか?」と首を傾げているハーツの副寮長。
それと、ハーツの副寮長に獣耳をこねくり回されている私。
自分の名と所属寮、学年を名乗っている最中、何故だかずっと私の耳を凝視していたハーツの副寮長。
あまりにも見られていた為、「耳、気になるんですか?」と聞いてしまったのが悪かったのだ。
「あまり縁のあるものじゃないからな」なんてそれっぽいことを言いながら私の耳に手を伸ばしてきたものだから、ああなるほど、と納得をしてしまい触ることを許可してしまった。
そこからずっとこれ。
何 も か も 解 せ な い 。
____手つきがしっかり気持ちいいのも解せない。
先程からさりげなく「もうそろそろ撫でるのをやめて欲しい」と伝えているが、いい感じにのらりくらりと躱され続けている。
解せない。
「一度もそんなこと言ったこと無かったし……ねえ、面白いからマジカメあげていい?」
「別にいいが、後でDMに撮った写真送っておいてくれよ」
「オッケー」
「ねえおれの肖像権どこ?」
____なんだなんだ、私に許可も取らず話が進んでいる。写真は撮るな。私もその写真ほしい。
一生懸命訴えかけるが、人の心があんまりない先輩たちには私の声は1ミリも届かない。
なんだか、いいようにおもちゃにされている気がしてならない。
「オレも撫でてみた〜い」
「ダメだ」
「おれの拒否権……」
優しい手付きでふわふわと触られ続け、なんだか眠くなってきてしまった。
うつらうつらと船を漕ぎながら目を閉じては開いてを繰り返す。
「眠いのか? ほら、寄りかかっていいぞ」
私の様子に気が付いたのか、耳を撫でていた手を止めたハーツの副寮長。
甘ったるい言葉をかけながら、私の頭を寄りかからせるように自らの体へ引き寄せる。
____兄が居たらこんな感じなんだろうなあ。
そんなことを考えている間に、徐々に意識が遠のいていった。
「ちょっとトレイくん。なんでAくんにそんなにベッタリなの?」
「はは。つい、な」
「ふうん」
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まる(プロフ) - チワワさん» それまでずっと「夢主の性別分かってる人と知らない人で書き方変えてるんだなぁ〜」って納得してたのに、不意打ち平仮名喰らってすごく面白かったですよww 続編も読み終えて来ましたが、続き楽しみにしてます! (2022年7月20日 13時) (レス) id: 44a9349275 (このIDを非表示/違反報告)
チワワ(プロフ) - まるさん» まるさん 「はは、みんな動物は可愛くて好きだろ? そういう事だ」ラストのトレイ先輩、誰にも触れていただけず少し不安だったのですが、笑っていただき光栄です……!コメントありがとうございました。 (2021年11月13日 16時) (レス) id: bd52d8b6d9 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 最後のtrey先輩の平仮名、可愛くて思わず笑っちゃいましたwww 続き楽しんで読んできますw (2021年11月11日 17時) (レス) id: fb6be3cd03 (このIDを非表示/違反報告)
チワワ(プロフ) - えいさん» えいさん ジャックいいですよね……私も推してます。あまり書いたことはありませんがそういう路線も入れてみますね。コメントありがとうございました! (2021年10月27日 23時) (レス) id: bd52d8b6d9 (このIDを非表示/違反報告)
Rai88(プロフ) - チワワさん» またもやご返信ありがとうございます。お手を煩わせてしまいすみません!!方法まで教えてくださってありがとうございます! (2021年10月26日 16時) (レス) id: fe9c3210ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:与太話 | 作成日時:2021年10月23日 20時