初めての一目惚れ【及川徹】 (ページ27)

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ファミレスに移動し、

もうお昼のピークを過ぎたからかすんなり入れた。

松川さんと、岩泉さんが奥に座り

及川さんが座るのを待っていると

「Aちゃんこっちおいで」

松川さんに声をかけて貰い、座ろうとした瞬間

及川さんに腕を引かれる。

「ちょっとまっつん！
普通そこは俺が座って、Aが横でしょ！」

多分わざとなんだろうな。

だって松川さんすごいニヤニヤしてる…。

それから松川さんは席を離れて岩泉さんの横に座り、

その横に花巻さんが座った。

「A、おいで」

ふわっと笑いながら及川さんは自分の横の席を叩く。

その笑顔に私も自然と微笑んで
及川さんの隣に座り、

料理が来るまでいろんな話を聞かせてくれた。

　

「で、2人はどこまで？」

『どこまで…とは？』

花巻さんに聞かれている内容がわからず、

及川さんに目線を向けると、

及川さんは、口に含んでいた水を思いっきり
岩泉さんに飛ばした。

「待って岩ちゃん。本当にごめん！
てかなんでそれをAがいる前で話すかな？！」

『…？わたしがいたらまずいですか？』

「いや！そういうことじゃなくて…。

俺らがどこまで進んでるかって聞きたいみたい」

『どこまで進んでる…？あ…』

その瞬間、意味を察すると同時に
顔が熱くなるのがわかる。

「手は繋いだし、ハグもした」

え？答えるの？！なんて思いながら
及川さんを見つめていると、

すぐに松川さんは「で？」と聞いてくる。

「俺らまだ1ヶ月だからね？」

まだ1ヶ月…

先のことを想像すると、
もっと顔が赤くなるのを感じて

「こいつはチキンだからな」

「ちょっと岩ちゃん！それは言わない約束！

俺だってやる時はやるし！」

その言葉にズキっと胸が痛んだ。

俺だってやるし宣言を聞くとやっぱり経験あるんだ…

なんて思って落ち込んでしまう。

そんなことを考えていると、
急に岩泉さんが口を開いて

「こいつと付き合ってると
部活ばっかでつまんなくなんねぇか？」

なんて聞いてくる。

『及川さんは誰よりも努力する人なので、

部活ばっかりなんて思わないです。

逆にそんなところが好きです』

岩泉さんに聞かれた質問に答えると、

「及川、お前よかったな」

と返してくれて、

「本当、俺もそう思う」

そう言いながら及川さんはみんなに見えないように

机の下で手を握ってくれた。

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