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『…家族ができたんだね、おめでとう』
手を離すとシェリーは顔で別の猫を押して
私たちの目の前に来させる。
『この子がシェリーの子ども？
挨拶させてくれるの？』
シェリーと同じ見た目をした猫を撫でれば
おじいさんは、
この子だけは産まれたときあまりにも小さくて
ここで育てた子だと教えてくれた。
『もうシェリーに会えないかと…』
「ずっとここに連れて行きたいって思ってた」
それからシェリーたち家族を撫でながら
隣に視線を移せば優しい笑顔で悟さんも撫でていて
昔と全く変わらない表情に
少しだけ心が温かくなる。
あの時、わたしと悟さんを出会わせてくれて
『…ありがとう、また会いにくるね』
最後にシェリーをぎゅっと抱きしめると
立ち上がりおじいさんにもお礼を伝えた。
悟さんと２人、駐車場に向かいながら
『シェリーに会えてすごく嬉しかったです、
もしかしたらもう生きてないのかもって…』
「ちゃんと育てたよ。
まあ子ども作って帰ってきたのは想定外だけど」
と笑いながら前を歩く悟さんは
手を伸ばせば届くはずなのに
どんどん遠くへ行ってるように思えて
振られた時の気持ちがよみがえる。
もうここで好きだと伝えなきゃと
足を止めて名前を呼ぼうとすれば
上からカランカランと普段聞き慣れない音がした。
何の音…？
そう思って上を見上げれば、
建築中の足場が外れたのか私の方へと落ちてくる。
『え…？』
スローモーションのように感じるのに、
私の足は一歩も動かなくて
すぐにわたしを呼ぶ声が聞こえ
次に目を開ければ、顰めた顔の悟さんがいた。
『さ、とるさん…？』
当たると覚悟したあの瞬間、
悟さんに腕を引かれて
私は尻餅をつく悟さんの上に乗るように倒れ込み
間一髪で命が助かったらしい。
「怪我はない？」
『私は大丈夫です…悟さんは？！』
「もちろん無傷」
さっきの恐怖と安心に感情が入り乱れて
自然と涙が出れば悟さんは、落ちてきた方向を睨む。
「A、ちょっと場所移そうか」
頷いて立ち上がろうとしても、
腰が抜けたのか上手く足に力が入らなくて
悟さんは私を抱き抱えると
「こっちが行った方が早いね」
と言って近くにあったビルへと入っていった。
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ふわり - 完結お疲れ様でした！ 今まで読んできた夢小説の中で1番感動しました、、、映画を1本見終わったぐらいの満足感です、、五条sideがもうめちゃめちゃに良くてキュンキュンしまくりました、、、素敵な作品をありがとうございました！！ (2021年2月7日 17時) (
レス) id: 2fbec0a3cf (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。ううっってなったり、きゅんしたり、苦しくなったり…めちゃめちゃ感情移入していました。最後の一気に出してくださった悟side、すごくストンって心に落ちて大満足でした。愛情溢れる作品に感謝です！ (2021年2月1日 17時) (レス) id: a2ac9ececf (このIDを非表示/違反報告)
N(プロフ) - 完結、お疲れ様でした...！！！！私が読んだ夢小説の中でも一位と言っては過言ではないくらい面白い作品でした！！！次の作品も頑張ってください！！！応援してます！！！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: 39ef0a72f1 (このIDを非表示/違反報告)
五条(プロフ) - 完結おめでとうございます！！ちゃんとキャラが生きてて、感情移入しながらずっと読んでました…笑。私の語彙では言い切れないんですけど本当に素敵でした！！ (2021年1月31日 13時) (レス) id: b2b6255114 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - 完結〜！お疲れ様です！すごすぎ…映画見たようでした！！！ (2021年1月31日 1時) (レス) id: 35a64f1103 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mai
| 作成日時：2021年1月3日 8時
