初仕事 続 ページ14
「あら､貴女は」
「今日から､護衛としてお傍につかせて頂きます。カイリ=セル･シュライヤと申します」
少し固い声色､頭を下げる姿はメイドというより騎士の方が近い｡
面白い子だこと､総統グルッペン･フューラーの婚約者､ラスベルトは微笑みを浮かべる｡
婚約者は計4人｡
前述したラスベルト｡
暗殺部隊隊長ゾムの婚約者､リミア｡
前線第一部隊隊長コネシマの婚約者､リーレン｡
書記長トントンの婚約者､イベルカ｡
彼女達は結婚を先延ばしにされているのにも関わらず､呑気にお茶会を楽しむ余裕があった｡
何故か､それは誰にも分かっていない｡
「あら､あらあら！とても美しい瞳ねぇ！」
「晴れた空のような瞳に浅黒い肌…知っていなければ異国の方に見えるわね」
「18になったばかりと聞いたわ？何かあったら相談してくださいまし」
「」
「ふふ､固まってしまっているわ｡3人共､少し落ち着いて？」
メイド長と専属補佐は､武器は持つなってこれの事かぁ…と内心で天を仰ぐ｡
余裕だと言っても､彼女たちは新しいものに目が無い｡
故に､最年少で新人のカイリにも興味津々なわけで｡
お姉様方に囲まれたカイリは白目を剥くのを堪えながら受け答えをしていた｡
かつて新人で､囲まれた事があるメイドは後で慰労会を開こうと決意した｡
「ーほらほら､お茶会を始めましょう？せっかくの紅茶が冷めてしまうわ」
最年長であるラスベルトの声で彼女たちは定位置に座る｡
カイリは解放された…と溜息を吐きながら頭を下げて指定された場所に戻る｡
既に毒が入っているかどうかは確認は済んでおり､婚約者たちは優雅に紅茶や菓子を口にしていた｡
甘すぎるものと紅茶が嫌いなカイリにとっては白目もんである｡
「カイリちゃん大丈夫？」
「なんとか…」
「3日に1度だから､頑張って」
「はい…」
「休日は一緒にご飯行きましょ」
「頑張ります」
「ふふっ」
コソコソと､歳の近い先輩メイドがそう話しかけてくれる｡
ご飯の話が出た瞬間キリッとしたカイリに､先輩メイドは笑みがこぼれる｡
あのシュライヤ家のご息女も､ちゃんと子供だったらしい｡
お茶会は15時からで､その時間帯は大半の者は自身の仕事に精を出している｡
ダクトを好んで移動手段として使っているゾム幹部も､この時間は自部隊の訓練の時間であった｡
「…､」
故に､異質な気配がするのはおかしいのだ｡
そう思った瞬間､項にヒヤリとしたものが触れた｡
敵を確認､殲滅せよ
カイリの本能が､そう囁いた｡
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明太子なげっと - あぁ…良いところ？で終わっている…！！ゆっくりでよきなので更新お願いします！待ってます！！ (4月16日 22時) (
レス) @page48 id: 9b9289fd09 (このIDを非表示/違反報告)
東の番長第2号(プロフ) - コメントありがとうございます！リアルが忙しく思うように更新が出来ていませんが､お待ちしていただければ幸いです！ (2022年12月25日 7時) (レス) id: 4d2a866f52 (このIDを非表示/違反報告)
古着 - はぁ…()最高！！更新応援してる！ (2022年12月25日 1時) (レス) @page34 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
おおお - 面白かったです！更新ゆっくりたのしみにしています！ (2021年12月29日 23時) (レス) id: 957fa2aa3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東の番長第2号 | 作成日時：2021年3月4日 21時
