【イナGO】stay foolish 3

真剣 ページ20

『太陽なんで笑ってるの……？』





私が放った精一杯の言葉を聞いた太陽は少し笑っていた。今この場面は、小さな子供でも分かるぐらいシリアスな雰囲気だというのに



少なくともここは笑うところじゃない。でも実際に目の前で笑ってる太陽を見て驚きよりも不思議が勝った




いや、笑ってるというより具体的に伝えると、太陽は少し頬を染めながら手の甲で口を隠していた。




｢…いや、Aにとって僕は大切な人なんだと思うと……嬉しくて……。｣





『……！こっちは真剣に言ってるの！！』









普段なかなか大きい声を出さない私の声にも太陽は驚かず、そして何より反省している様子がなかった





｢…僕も真剣だよ。Aの大切な人に僕が入ってるなんて、たまらなく嬉しいんだ。｣








｢前にも言ったけど、本当にAのことが好きなんだ。抑えられないくらい｣





太陽が私を好きというのは前にも聞いていた。だがこの話は決してここでするものでは無いのではないか




そう疑問に思い思考が停止していると、太陽はいつの間にかどんどん近づいてきていた




『太陽、私はそういう話をしたいんじゃなくて…』


｢逃げないでA、僕の気持ちは本当なんだ｣





太陽はそういうとおもむろに手を伸ばして私の手を掴み、そのまま太陽自身の胸に持っていった






｢ほら、こんなに僕の心臓は早く動いてる。これは病気だからじゃない。世界で1番好きな人と話しているからなんだ｣




太陽の心臓の音につられて自分の顔も赤くなる






｢Aを好きな気持ちに真剣なぐらい、僕はサッカーにも真剣なんだ。だから次も出る。絶対に病気にも勝つ。約束する。｣



｢だから、雷門も僕と同じ真剣な気持ちでぶつかってほしい｣




太陽はそれだけ言うと先にフィールドに戻って行った

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