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「血だらけだったよ」
「腰から下がやばいって！ダンスできるのかな」
みんなの話し声が聞こえる。
あの後学校は騒然、先生達が校内を駆け回り生徒達は教室に強制的に入れられた。
先生から聞かされたのは、朝練で武道場の中にある倉庫に行った彼は壁に固定されているボルトがたまたま緩んでいた鉄板の下敷きになったらしい。
「不運だった」と先生は称し、みんなも気を付けるようにと言った。
彼はもちろんだけど今週の大会には出られない。
彼が最後に送ったスタンプを眺めながら校庭から聞こえるサイレンの音に顔を歪めた。
みんなが窓際に集まり救急車の行方を見る中、私も目線だけ向けて窓の外を見る。
止まった救急車からはストレッチャーが出てきた。
「うわ、やばいってアレ」
1人の男子の声を上げたと同時にみんなも騒つく。
私は手を震わせながら、その方向を見る。
青白い顔が一瞬だけ見えて、私は先程の血の溜まりを思い出してしまい気持ち悪くなった。
だけど目線は逸らせなくて動悸が荒くなる。
＿＿＿と、その時
「可哀想に」
冷たくて低い言葉が耳元で聞こえて、
私の視界を隠すように目を手で覆われる。
ふわりと鼻腔を霞めるその香りは知り過ぎたものだった。
私を包むようにして背後に立つのはジョングクしかいない。
その存在に一瞬背筋が凍ったけれど、次第にそれは安心に変わり乱れていた呼吸が安定していった。
私の視界を覆いながら片方の手で頭を撫でるグク。
サイレンの音が遠ざかっていくのが聞こえた時にグクはまたボソッと言葉を零した。
「天罰が下ったんだね」
＊
暫く武道場は立ち入り禁止になった。
黄色いテープが張られた入り口を横目に私は隣に立つ幼馴染を見つめた。
「ん、どうしたの？」と此方を見るグクは私の目線に気付いて首を傾げる。
無垢な表情は愛らしくて美しい彫刻のようだった。
あれからグクは何事も無かったかのように私の隣にいつも通り並んでいる。
朝無視して先行ったことは一度も追求されずにまた私が周りから白い目を向けられる日々に戻った。
ただ前と違うこは彼がまだ学校に来ていないということ。先生曰く完治が難しいらしい。
そして、いつの間にか私のファイルから彼からの手紙が無くなっていたということ。
まるで彼とは何も無かったように、
何者かが私達の出来事を塗り潰しているようだった。
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咲綺(プロフ) - 続きが見たいです！！ (2020年5月23日 22時) (
レス) id: a2e0669daa (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん（）(プロフ) - 続き書かないんですか？めちゃ気になります！ (2019年12月6日 18時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
ぐろす - けっこー経ちましたけど更新しないんですかー？楽しみにしてまーす！ (2019年12月6日 17時) (レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん（）(プロフ) - 続き書かないんですか？ (2019年10月16日 0時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - とても面白いです！！ヤンデレグクちゃんたまりません。シスコンジミちゃんにも守ってもらって、優男テヒョンにも守ってもらえて主人公ちゃんが羨ましいです(笑)更新楽しみにお待ちしてます！ (2019年8月15日 0時) (レス) id: 202f553fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：飛鳥 | 作成日時：2019年6月12日 23時
