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「昨日のが心配だったから様子見に来ちゃった〜」

「あ、ありがとうございます…」


態々私のために時間を割いてきたテヒョン先輩の優しさには感謝しかないけれど、内容が内容なだけに私は少し動揺してしまう。

グクが隣に居るのにその話題は少しキツイ。
テヒョン先輩に悪気は無いのはすぐにわかったけど、さっきから一言も発さない幼馴染が余計に怖く感じた。


「て、テヒョン先輩…あの、」

「あっこれ言っちゃダメなやつだったね!」

「あはは、そ、そうですね」


もう遅い気がする。
テヒョン先輩は心の声まで口に出しちゃう派なのかもしれない。
それでもあまり嫌に感じないのはテヒョン先輩独特の人懐っこい性格のせいかもしれない。

「ごめんね〜」と手を合わせるテヒョン先輩は年上だけど可愛く思えてしまって憎めない。
なんだかテヒョン先輩が人気な理由がまたひとつわかった気がした。


「じゃあまた2人きりの時に話そ!じゃーね〜」

「えっ…あ、さようなら…?」


嵐の様に去っていくテヒョン先輩は一瞬だけ隣に立つグクに目線を移してから手を振って廊下から消えていく。
その様子は今朝のオッパと重なって見えて、親友だなぁ…と染み染み思った頃には自然と頰が緩んでいた。

テヒョン先輩も行ったことだし、いつまでも廊下に居る必要は無くなったので教室に戻ろうと足を向けるが、グクが動かない事に気付く。
嫌な予感がして、グクを見ればテヒョン先輩の後ろ姿を追う様に廊下をじっと見つめていて、その瞳は今朝よりずっと怖く感じた。

「ぐ、グク教室戻ろ?」

「…昨日のことってなに?」


痛い所を突かれたと思った。
いつのまにか視線は私に移っていてじっと私を射抜く。
ぱっと視線を逸らそうとすれば「ねえ」とまた低い声が落とされて私は逸らそうにも逸らせなかった。


「昨日ことってなにって聞いてるんだけど」

「…ほんとに何でもないよ」


グクは完全お怒りモードだ。
私が口を噤めば、グクは私の手を握り「ふーん」と態とらしい声を出した。

「____」

ボソッと何か呟いてから歩き出すグクにぎゅ、と握られた手が痛く感じる。
そのまま私を引っ張って教室に入ったグクは次の時間が始まるまで一言も発さなかっだけど手はずっと離してくれなかった。

クラスは手を繋いで入ってきた私達をじろじろと見て、私だけに白い目を向けた。

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咲綺(プロフ) - 続きが見たいです!! (2020年5月23日 22時) (レス) id: a2e0669daa (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか?めちゃ気になります! (2019年12月6日 18時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
ぐろす - けっこー経ちましたけど更新しないんですかー?楽しみにしてまーす! (2019年12月6日 17時) (レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか? (2019年10月16日 0時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - とても面白いです!!ヤンデレグクちゃんたまりません。シスコンジミちゃんにも守ってもらって、優男テヒョンにも守ってもらえて主人公ちゃんが羨ましいです(笑)更新楽しみにお待ちしてます! (2019年8月15日 0時) (レス) id: 202f553fa0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛鳥 | 作成日時:2019年6月12日 23時

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