朝食 ページ10
翌日目を覚ますと、体も随分と軽くなりスッキリとしていた。
｢おはようさん。よう休めたか？｣
ベッドから降りて、カーテンを開けると椅子に腰掛けたしんぺい神に声をかけられる。昨日とは違い面布を着けており、表情はわからない。が、笑っているような気がした。
｢はい、お陰様で｣
ぺこりと頭を下げお礼をする。
｢今日から、トレーニング始まるみたいやけど、無理しないようにな？｣
｢心がけます…｣
怒涛の医務室通いだ。これ以上彼に迷惑はかけられない。
気をつけてな、とひらひらと手を振る彼にもう一度頭を下げ医務室をあとにする。
幹部用食堂に行くと、ロボロとシャオロンが朝食をとっていた。
｢お、Aちゃんやん。元気になったん？｣
｢はい、皆さんのおかげで｣
｢良かった良かった。まあ俺、なんもしてへんけどな｣
そう言って笑いながらも、安心したわと呟いている。
そして、手招きをして向かいの席に座るように促される。
｢お邪魔します｣
と、言いワゴンの上の朝食の乗ったお盆を手に取る。
｢ほんま、大丈夫か？｣
シャオロンの隣に座るロボロも心配そうに声をかけてくる。
今日からトレーニングでお世話になるのだ。
｢ロボロさん。すみません。心配をおかけしました｣
｢いや、そんなええんやで。でも、体には気いつけんとアカンで？｣
｢…はい｣
ちらりとロボロの方を見やる。
面布を汚さないよう器用に、トーストを食べるロボロ。何故そんなに頑なに着けているのだろうか。
｢ま。ちゃんと朝食食べて、話はそれからや｣
｢なんや、童貞のくせにいっちょ前に女の子の心配しよって｣
｢それは関係ないやろ！！！｣
横からシャオロンに煽られて、大声をあげるロボロ。一体どこからそんな声が…。
その後も煽り煽られといった会話を繰り返し、一足先に食べ終えた2人は食堂を後にする。
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作者名：にこ† | 作成日時：2019年10月3日 14時
