___死に別れより生き別れ ページ30
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向かった先は、あの場所。
深澤くんが住んでた場所。
『何か手がかりになるものがあればなぁ』
自分自身がどうしたいのか分からない。
あの人を探したところで、わたしにはなーんのメリットもない。
深澤くんを幸せにしてあげたいってより、ぶち壊したい気持ちの方が強い。
しばらく周りを彷徨いていると、派手髪くんが前から歩いてきた。
田「あれ、目黒の同期の……」
『どうも Aっていいます』
田「え？A？Aっていうの？」
『例の探してる女性と同じ名前です、面白いですよね』
うん、とっても と樹くんが言う。
この人も目の奥が笑っていないというか、どこか寂しげというか。
『Aさんのお話聞かせて欲しいんですけど』
無理も承知で言ってるのは分かってる。
でも返ってきた答えは想像と違った。
田「いいよ、とりあえず家入んなよ」
樹くんは手招きでわたしを部屋に案内してくれた。
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田「寒かったっしょ？そんな薄着1枚で出てきて」
温かいコーヒーを淹れてくれて、カーディガンを貸してくれた。
『樹くんは優しいですね』
マグカップに口をつける。
田「敬語要らないよ。で、姫のこと知りたいんだよね？」
『姫？…あ、うん。Aさんのこと、ね』
樹くんも自分のマグカップを持ってわたしの隣に座る。
田「隣に住んでたんだ。偶然ね。知らなかったの。
で、契約更新のタイミングで師匠と一緒に住むようになって。
目黒とは元々かなり親しくしてたみたいで、師匠と一緒に住んでながら目黒の家にも頻繁に行き来してた。
もちろん師匠はそのこと知ってたよ。
姫が目黒の家に行くたびに師匠が〈また今日も行っちゃった〜！〉なんて言いながらここよく来てた」
へぇ。
『えっと師匠ってのは深澤くんのことでいい？』
田「そう！ごめん説明足らずで！俺は師匠って呼ばせてもらってる！
正直、師匠達が事務所抜けたのはかなりデカいというか、先輩に限らず後輩まで影響してる。
詳しい事情を知ってる俺からすると、あ〜姫って罪な存在だったなって(笑)」
罪な存在ねぇ。
そうだよね。言い方悪いけど、男誑かしといて勝手に消えちゃう都合の良い人だもんね。
『つまり姫さん、もといAさんは 紅一点みたいなところあったんだね』
田「まーそうだね。男社会で生きる俺らにはかなり新鮮な存在だったよ。いい女だったし」
いい女。
いい女はそんな風にいなくならないよ。
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ふ - 待ってました♪これからも、他にないStoryと展開を楽しみにしてます!! (2020年10月1日 15時) (
レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - 新作楽しみにしていました！前作と繋がっていたりと前作ロスになっていた私には嬉しい作品です(笑)すぐにお気に入り追加、高評価しちゃいました…！みつまめ様の作品がまた読めて幸せです…！ (2020年10月1日 0時) (レス) id: 11d68bb805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みつまめ | 作成日時：2020年9月29日 16時
