わたしはテレビを見ない。 (ページ35)

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○ . 俺専用の美味しいおクスリページ35

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しばらくメンバーと会わない日が続いた。

ふっかも樹くんも見ない。
蓮とも会えてない。

テレビで連日ずっと流れている
事務所の社長が御逝去された報道。

会社では毎日土屋ちゃんが号泣していた。
わたしも悲しくなって2人でよく泣いた。

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なんとなく重い気持ちで迎えたサマパラ初日。

行くって決めたのがギリギリすぎて、
「席用意すんの大変だったわ！(笑)」とふっかにちょっぴり怒られた。

でもSnow Manの歌って踊っている姿を
歌舞伎ではなくコンサートという形で見れることは
かなり楽しみで。
そこだけ切り取れば重い気持ちもちょっとは晴れるかな、なんて。

また迷うのが嫌だったから蓮に連絡をして、
関係者しか入れないトビラまでの簡単な地図を送ってもらった。

最初に会ったのはあべちゃん。
もうさすがに嫌そ～な顔はせず、ニコニコで迎えてくれた。
その次にひーくん。真剣な表情で踊りの確認してたから声掛けづらくてチラ見しながらもスルー。
楽屋の奥に進むと、こーじがニヤニヤしながらこちらを見てきた。

向「姫やん！めめきゅん、トイレ行ってるで？」
『そうなんだ、こーじ久しぶりだね』
向「ほんまやね～
いつもめめきゅんから話聞いてるから俺も勝手に会ってる気になってたわ！」

蓮、何話してんだろうな……

『あ、これ差し入れ。落ち着いたらみんなで食べてね』

道中で買ったゼリーの詰め合わせをこーじに渡す。

向「えっえっ！いいん…？！ほんまありがとう！
でもこういうのは俺が受け取ったらあかんな、
ふっかさーん！ふっかさーん！」

どこからともなく現れたふっか。

向「姫が差し入れやって！」
深「毒盛ってねえよな～？」
『素直にありがとうが言えんのかお主は
こーじはありがとうって言ってくれたよ？』
深「はーいAちゃんありがとうね～」

言い方癪に障るけどまあいいや。

こーじとふっかと話し込んでると蓮がトイレから戻ってきた。

目「Aじゃん」
『来たよ。差し入れあるからふっかから貰ってね』
深「独り占めする予定なので配りません」
『人の心持ってる？』
向「いじわるよの～」

フハッ、と蓮が笑う。
そうそうその笑顔。素敵だよ。

向「……やっぱ姫はめめきゅんの精神安定剤なんやな～」
『そう？』
目「俺専用の美味しいおクスリ」
向「うわっ！！！いやらしい言い方！」

わたしとこーじ、蓮は笑ってたけど、

ふっかは笑ってなかった。