わたしはテレビを見ない。 (ページ19)

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○ . 余計なことしてくれますよねページ19

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阿「ちょ……姫なんでいるの？」

絶望している顔のあべちゃん。
そんなに嫌？！顔に出すか？！？！

岩「お嬢が大我と来るなんて聞いてないけど」
ひーくんはちょっとニコニコ。

いやあべちゃんよ…

戸惑っているとタイミング良くふっかが出てきた。

深「よっ！姫！」
阿「いやふっかぁ……よっ！じゃなくて、一般の人呼んじゃだめでしょうよ…」
深「阿部も真面目だなぁ！！！この子一般の姫だからいーの！それに、あいつのこともあって」

一般の姫って(笑)

…あいつ、
蓮のことか。

京「飲み友なんでしょ？」
深「飲み友飲み友！姫、酔うと番号ばら撒くんだぜ？」
『余計なこと言わなくていいから』

茶番を繰り広げてると、《あいつ》がやって来た。

目「えっ？A？」

『よ、よぉ……？』

なんだかぎこちない。

恋人でもなんでもない、ただのお友達なはずなのに
衣装を身にまとった蓮はいつもの弱っちい蓮じゃなくて、
確かにアイドルだった。

岩「名前ガッツリ言っちゃってるけど」
『バレちゃった』

まあ俺はお嬢って呼び続けるけどね、とひーくんが言う。

あべちゃんは相変わらず…怪訝そうな顔をしている。

深「目黒、ちょっとは元気出た？」
目「ふっかさんって余計なことしてくれますよね」
深「照れんなよ～！」

肘でグイグイと蓮の腕を押す。

目「……来てくれてありがと」

『ん。顔見れてよかった！じゃ、今度は客席から見てるからね』

佐「何この世界……優しい……」

しれっとふっかの後ろにいたさっくんが呟く。
いつの間に来てたんだい、さっくんよ。

こーじやだてさん、しょっぴーにラウールくん
全員に会っておきたかったけど
目的はそこじゃなくて、蓮だから。

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さっき京本くんと入ってきた秘密の入口へ戻る。
隣には蓮。

『ふっかから電話きたの。来て欲しいって。
最近魘されてたんでしょ？』

目「俺、Aに依存しちゃってるかも」

苦笑いしながらドアノブを見つめる。
その横顔は寂しくて、どんよりしていた。

『わたしちゃんと見てるから！！！大丈夫、自信持とう！舞台の向こう側には、蓮のこと大好きなファンが待ってるよ』

言葉って難しい。

時に人を癒し、諭し、そして傷付ける。

わたしはちゃんと選べているかな？

こくっと頷いた蓮はわたしのおでこにキスをして、
ゆっくりと背中を向けた。