7話《Good reply》 ページ7
_A side_
A「いい返事…か」
オレにとっての『いい返事』は万次郎の出す答え。真一郎が死んだ時からそう決めた。
万次郎は『オレ』より『俺』を見たいらしい。でも俺には関係ない。
真一郎が作った…
真一郎が望んだ形
それがオレなんだから。
俺には何も無い。だから真一郎に貰った『オレ』を使うんだ。『オレ』が消えるのは嫌。だから逆に『俺』を消す。
唯一のオレの中の『シンイチロー』
無くなった時のために首から提げたネックレス。
そこを開くと三人の写真。
『俺』の姿した『作りかけのオレ』
真一郎
そして…
色黒で紫色の目をした白髪の少年
三人で笑っている写真だった。
これが無くなったら、
これと『オレ』がなくなったら
『俺』はどうやって生きればいい?
そう考えていると、万次郎からメールが届いた。
万次郎にぃ!今何処?!まさかホントに不動産屋行ってないよね?帰ってきて!俺今日はにぃと一緒に居たい!ケンチン今日は居ないから!早く帰ってきてね!
オレの意志関係なしに言うのは、オレに拒否権がないことをわかってるからなんだろうな。
Aわかった、近くにいるから、すぐに帰る
オレはそう一言送り、
__
ガチャッ
先程開けた筈の玄関の戸を開けると、万次郎が走って抱き着いてきた。
万次郎「!にぃ!!」ギュッ
万次郎「どこ行ってたの…?」
玄関でそんなことを聞くもんだから、
A「せめて家に上がらせてくれ」
と言った。万次郎は
万次郎「じゃあにぃの部屋〜」
と言って、階段を登って行った。
俺の部屋の前に着くと、万次郎はドアノブをガチャガチャと回す。が、一向に開かない。
万次郎「あれ?開かない」
A「そりゃ鍵閉めてるからな」
オレはポケットから花札のようなキーホルダーが付いた黒い鍵を取り出した。
ガチャッ
と音がすると、万次郎はすぐにオレの部屋の戸を開けた。
オレの部屋に入った万次郎の第一声は
万次郎「綺麗!!」
だった。
A「普通だろ」
オレの部屋は至ってシンプル。
白いクローゼットに白い棚、白いベッドに、白い机と椅子。散らばるものは無く、床には何も落ちてない状況だ。
……その中で目立つのは、白い壁に飾った花札、『芒に月』の真っ赤なピアスくらいだった。
8話《Moon on the awn》→←6話《Black dragon》
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シガラキ(プロフ) - ひー(比古)さん» 反応が嬉しすぎます!ありがとうございます!リクエストあればまたお願いします! (2021年10月29日 7時) (レス) id: d2d08f032a (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - リクエスト応えて頂きありがとうございます🥺❤️めっちゃ嬉しいです!ニヤニヤしながら読みました!イザナにプレゼント🎁買っていたけど何買ったのかな😊 (2021年10月29日 6時) (レス) @page22 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
シガラキ(プロフ) - ひー(比古)さん» 了解致しました!リクエスト本当にありがとうございます!必ずそうさせて頂きますので、少々お待ちください。 (2021年10月27日 7時) (レス) id: d2d08f032a (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - えっ!!ほんとですか??いいんですか??🤤リクエストはバジさんとか春千夜とか灰谷兄弟とかもし絡みがあったらみたいなぁーって思ってます! (2021年10月27日 1時) (レス) id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
シガラキ(プロフ) - ひー(比古)さん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません。ありがとうございます、そのように言って頂けると本当に嬉しい限りです。何か話のリクエストございましたらお願い致します。必ずお受け致します。 (2021年10月25日 21時) (レス) id: d2d08f032a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:匿名F | 作成日時:2021年10月17日 10時