似ているキミと作られたオレ【東リべ】

33話《Nostalgic you》 ページ33

＿No side＿

A「結構前に偶会った」

大寿「殴ったら腕一本怪我無しで受け止められた」

大寿はAを指さしながら、Aは大寿を指さしながらそう言った。

乾「……は？」

九井「大寿(ボス)の殴りを怪我無しで受け止めた？Aバケモンか？」

Aは「ははっ」と笑いを零し、

A「九井失礼過ぎだろ。あ、悪ぃ今日まだ用事あるんだ。帰るわ」

乾「送る」

乾は直ぐにAに言った。断ろうしたが、膝蹴りした事が頭を過り、微笑をうかべ「よろしく」と言った。
＿＿

Aと乾は一言も会話することなく送り終えた。別れ際に乾が「またな」と笑顔で手を振り、Aもそれで手を振った。

家に入ると、万次郎もエマも出ており、Aはまた外に出ていった。今度は、墓へ向かっている。

いつも通りの真一郎の墓だ。

A「黒龍(ブラックドラゴン)に入ったよ、真一郎。」

Aは墓の前に座り墓に向かってそう言う。すると

？「……A君？」

と後ろから声がした。Aが後ろを振り向くと、立っていたのは＿＿＿











場地圭介だった。



場地「A君、久し振り…」

A「圭介、久し振り」ﾆｺｯ

Aはニコリと笑顔を作り、

A「…今の、聞いてた？」

と言った。場地は気まずそうにゆっくりと頷いた。

場地「ごめん、聞くつもりは…」

A「いいんだ、俺がここで言ってたのが悪いしな」ﾆｺｯ

太陽のように笑うAの笑顔は、胡散臭く、悲しそうな顔だった。

A「圭介も来たし、そろそろ帰るわ」

Aが場地に手を振り、墓から離れようとした時、

場地「…あ、あの！」

場地が少し大きな声を出した。

A「ん？」

Aは振り返り首を傾げる。場地は拳を握りしめながら、

場地「真一郎君の事…謝って許される事じゃねぇってのは分かってる……でも、本当に＿＿



ごめん！A君！」

A「………」

場地は頭を勢いよく下げた。Aはそんな場地を見下げるような感じになっており、彼の前髪によって顔は見えないようになっていた。

A「……いいよ、圭介。その特服着てるってことは、万次郎だって許してくれたんだろ？なら俺も許すさ。それに＿＿＿」


Aの発した『それに＿＿』の後は、とても小さく、場地には聞こえなかった。

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