パフューム __ 夏の甘い誘惑 (ページ17)

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# 甘い香りページ17

ふわっと香るこの匂い
ふわふわな髪の毛
この雰囲気

『_____け、いくん』

まってた。

慧「な、んで、」

『け、いくん、』

侑李「…慧」

涼介「…」

大貴「…知り合い？」

まってたよ。

この瞬間を。

信じて待っててよかった。

香水変えなくてよかった。

願い続けててよかった。

『慧くんっ、慧くんだよね？』

慧「なんでここに？_____A」

聞きたかった、その声が

会いたかった、

侑李「A…とりあえず、中に入ろう」

止まらない涙

慧「…こんな偶然ってあるんだね」

『…まってた、まってたの、ずっと』

あの日慧くんから別れを告げた。

好きな人ができた、
とかそういうんじゃなくて

バイトなどが忙しくて
なかなか会える日が少なくなってきて
これ以上わたしをかなしませたくないから
寂しい思いをさせたくないからって
別れを告げられた。

私は平気だよ、って
たまに会える日が嬉しいんだよって
言っても慧くんには
無理しているようにしか見えなかったみたいで

だからわたしは

ずっと慧くんが忘れられなかった。

慧「…あの時は本当にごめん」

『…ほんとはね寂しかった

たまにしか会えなくて辛くて不安になって
でも慧くんはそれは察してて
いくら私が平気って言っても
無理しているようにしか見えないって言われて

だからさ、よけいに
慧くんのこと忘れられなくて
いつか会えるんじゃないかって
信じて待ってた』

そういうと慧くんは
切なそうな顔をして

慧「俺も自分であんなこと言っておきながら
ずっと後悔してた

また会えるんじゃないかって
俺も密かに思ってたんだ」

大学生の彼は一段と大人になってて
色気づいてて
かっこよくて

『…慧くん、あえてよかった』

更に惚れ直した。

涼介「…あの、感動の再開なのは理解しましたが、俺ら放置しないでくれますか？」

『え、あっ、わ、ごめんっ』

侑李「…はぁ」

大貴「…っ、」

『…でも、なんで慧くんここに？』

慧「大学で今建築の勉強してんだけど
この下宿所をたまたま見つけたときにさ
建物のつくりに興味湧いて
一度は行ってみたいって思ってたんだよ」

『そうなんだ、』

慧「Aはなんでここに？」

わたしは、さっき有岡くんたちにした
説明を慧くんにもした。