記憶の彼方、今ふたり向き合って-目黒蓮- (ページ8)

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俯いて返事を待っていると、向かいの深澤さんからは何も発せられない

｢深澤さん、流石に何か言ってくれなきゃ困ります｣

｢Aも案外やり手なんだねぇ｣

｢わたしのこと何だと思ってるんです？｣

ニヤけた顔で何を言うんだ、この人

｢あの目黒蓮と付き合ってたとか、やり手以外のなんでもなくなぁい？今じゃ演技も評価されるようになってドラマも出てるんでしょ？｣

｢そうらしいですね、どうでもいいですけど｣

濡れた足で砂の上を歩いた時のような心地の悪さを感じて、一気に酒を煽る

｢なんか目黒蓮のことになるとすげー淡白になるね。そんな酷いやつなの？｣

｢酷いやつ、ではないですよ。終わり方が酷かっただけで。今日も連絡するなんて言ってましたけど、どうでしょうね｣

自嘲気味に笑えば、深澤さんはまぁまぁとわたしを宥める