#39 ページ40
JKside
｢シュガヒョン何見てるの？｣
｢…雑誌。ほらこの前の特集で撮影したやつ。見るか？｣
｢うん！｣
仕事の合間に。何の気なしに雑誌を受け取ったのだが不意に見えた表紙にまた胸はザワついた。
あれから、一ヶ月＿＿＿＿未だに連絡すら来ないのは俺に諦めろって言っているようなものだと分かってはいる。
分かってはいるけど、毎日の生活の中で彼女の存在を見かけない日がなくなっている。
忘れようにも忘れさせてくれないのは不本意ながら(人1)の方だ。
｢うわ、このcm可愛い！最近さらに人気だね(人1)ちゃんは。｣
｢ホビヒョン、もしかして惚れましたか？僕達のこともう忘れてると思いますよ｣
｢……ジミナお前はなんでそんな悲しいことを｣
うんと綺麗になった彼女にテレビの中でさえ目を合わせられない日々。まるで小学生の初恋みたいに純粋でもあり、時に欲深い俺が厄介で。
あの日、なぜ手を放してしまったんだといつまでも後悔している。でも無理矢理抱いていたら何か変わっていたとも言いきれない。
しかも彼女は俺の元にカーキ色のカーディガンを置いていった。帰り際の焦り具合からわざとでは無いことは明白だが、連絡もない俺に返す術はなく、
より(人1)を恋しくさせるだけ。でも記憶が薄れていくうちに色褪せてしまうんじゃないかと不安なんだ。
俺の匂いがしみついたカーディガンはもう要らないって。そもそも、あなた誰？なんて本気で言われそうで。
焦っているのかも。こんな女性に出会ったことはない。＿＿＿＿今まで俺が興味を示した女性とは、何の困難なく繋がれてきた。それがそもそも偶然だったのか、俺が自惚れていただけ？
彼女に近づく為に、何をすればいいんだろう。
「ホビヒョン！(人1)ちゃんのインタビューに好きなタイプ書いてありますよ！」
「ジミーン、だからそうじゃないっ、！「見せて！！」
どっちにしても受け身ではダメだ。彼女が描く理想像に俺が歩み寄らないと、って慌ててヒョン達から雑誌を奪った。
「…ジョングガ、…そんな突進してこなくても」
｢ははははっ！！！ヒョン飛んで行かなくてよかったね！！｣
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作者名：chay | 作成日時：2021年11月25日 5時
