Pseudo romance (ページ32)

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私は自慢じゃないけど、英語だけ成績は良かった。芸能界に入ってなければ留学に行こうかとまで計画していたぐらい。

そうとは知らず、堂々母国語で悪口ですか。終いには日本人がつまらないだって。

あまりにもカチンときた私は傍に置いてあったシャンパングラスを一気に飲み干して。

『私もあなたとはどうも合わないなぁーって思ってたんですよね、その理由わかりました。日本人だからですね』

｢……、｣

『ようやく分かってすっきりしました。あまり自分の価値観を人に押し付けない方がいいですよ』

私だって母国語で反撃だ。何も理解できてないくせに、何も言わない。薄っぺらい脳みそに少しでも響いたんだろうか。

シャンパンの味はよく分からないけれど、口元を拭いながら、ふと彼の瞳はじっと私を写してる気がして。視線を泳がした。その時、一気にアルコールが回った体は自由が効かなくて。

｢っと！(人1)、……大丈夫？｣

すぐ真後ろに待ち構えていたかのようにジョングクがタイミング良く体を支えてくれた。

手には甘そうなカクテルを持って零さないように、でも抱きしめてくれる腕は力強くて。

思わず彼の胸に顔を埋めたのは故意じゃない。

｢……ジョングガ、(人1)にそのカクテルは駄目だよ｣

｢ヒョンに言われなくても分かってます｣

｢さっきシャンパンを｢分かってます。ちゃんと僕が面倒見るんで｣

『……っ、水』

｢うん、こっち｣

頭がぼーっとして顔が熱い。彼に体を支えてもらいながら。何故か私の頭の中には目の前の彼ではなくて、キムテヒョンの姿が居た。

｢あれ、どこ。……(人1)ちょっとまってて！｣

『んー』

ジョングクに連れて来られた場所は、どこなんだろう。＿＿白熱電球がこんなにも眩しいなんて。

目を細めてみると蛇口が見えた。飲めなくてもいいから、せめて顔だけでも洗おうかな。

重たい体を動かして壁を伝い蛇口の下までやってきたのはいいが、何故こうも立てないんだろう。あのシャンパン何か入ってた？

力が入らない。

それに限界を超えた睡魔が＿＿＿＿。