Pseudo romance (ページ29)

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「ホテルで飲むなんてリッチねぇー。貸切に警備員つけて、そんな過保護にならなくてもねぇー。別にやましいことするわけじゃないのに、事務所はそれほどまでして守らないといけないのかしらねぇー。」

やっぱり最後までネチネチ。送迎してくれるのは有難いけど、嫌味に押されながら車を出た後は、壮大なため息がでた。

目的地であるホテルは目の前。運良くティアラとすぐ合流できたのだが、あまりにも敷居が高くて中々踏み込めずにいると。

何処かで監視されているのか、ホテルの警備員に突如案内されて、初めて裏口から入室。

「……ここで合ってるの？」

『分からない、』

まるで宝探しのように館内図とメッセージを見比べては頭を悩ませる。ユンギさんからティアラ宛のメッセージに階数と部屋番号が書かれてあるのだが、

通常のエレベーターであればその階に到達できないシステムになっているのだと係員に聞いて、私達二人はお手上げ状態だ。

でも貸切なのに、そこまで厳重にする意図は何だろう。違和感を感じたのは私だけ？

「……そうなんです、エレベーターが……はい、あ、わかりました」

かれこれ、この場に佇み20分は経っている。もう帰ろうかと出口に向かう矢先のこと。ティアラに催促の着信がきた。今からそっちに向かうとのことだ。

『…所でさなんで部屋着で来てって言われたの？』

「……。ユンギさんが言うにはそっちの方が気兼ねなくゆっくりできるし楽でしょ？って」

怪しさを倍増させているのには、ここにもある。お泊まり会でもないのに、なんで？私はあえて私服に見えなくもないルームウェアをチョイスしたのだが、マネージャーに突っ込まれないかヒヤヒヤしてた。

韓国ではこれが主流なのかな？だとしても要注意グループには変わりない。

「……っこっちです。」

「ごめんなさい。待たせてしまったようで。行きましょうか」

完全にoff感丸出し。ルームキーを片手にやってきたユンギさん。一瞬分からなかったけど、気だるそうに、でも親切に誘導してくれた。

私は瞬時にティアラの腕を組んで警戒してますアピールを怠らないがティアラはユンギさんと親しげに時に笑顔を見せながら話している。

まるで、ユンギさんはいい人だよと私を安心させるかのように。