Pseudo romance (ページ28)

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『ごめん、……今回だけ、行ってもいい？』

マネージャーに呆れてしまってでも、大切にしたいと思えた友人。このまま縁が切れてしまうのも何処か寂しくて。しかもマネージャーの反応は少しばかり大袈裟だと思ってもいた。

たかが飲み会、お酒さえ飲まなければ間違いなんて起きないし、
ただもし最悪な出来事に巻き込まれてしまっても、一人よりも二人がいい。

「まさかとは思うけど惚れたの？ジョングク君」

『……っ、え！どうして？そんなわけ、「彼から渡されたでしょ？……撮影を通してあんたは気づいてないだろうけど、彼の好意は目に見えてる。それを踏まえて、行くのね？」

ポケットの奥においやった紙。誰にも気づかれてないと思ってた。それほどさり気なくて、手慣れていて。

耳元で(連絡してね)なんて囁かれたから、これは番号なのだと分かったけれど。正直、見るまでもなく捨てようとした。

それに撮影を通して彼はよく笑うから、吊られて笑うことも多かったし彼はよく人の目を見て話すから、その視線に特別な意味はない。って無理やりすぎるかな？

そういう解釈が自意識過剰で恥ずかしいとまで思ってしまう。

『やめてよ、彼は私をなんとも思ってない。知らないだろうけど私以外の女性にも同じように接してるよ？彼はただ女性の扱いに慣れているだけなの。しかも連絡先なんて皆と交換してるだろうし、私から連絡するつもりはないし、所詮大勢の中の一人なんだよ』

きっとマネージャーは権力に潰されるんじゃないかって、そこを懸念してる。

枕営業が当たり前にある世の中。何回か危ない取引を交わされそうになったことがあるが仕事を貰う為に体を売らなかった、私にだってささやかだけど立派なプライドを持ってるんだ。

人一倍ガードが堅いのはマネージャー譲りだよ。

「……そう。分かった。

(人1)に好意がないのであれば。いいわよ、行ってきなさい。ただ、12時に迎えに行くから。必ず連絡すること。それを守らなければ日本に帰します」

『はい』

頑固なマネージャーが、こんな簡単に折れてくれたことが少し気がかりだが信頼してくれてるからには、信頼で返さないと。

ティアラに【あまり私達離れないでいようね】とメッセージを送った。