Pseudo romance (ページ27)

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『……どうしよ、』

とんでもないことを承諾してしまったと気づいた時には遅かった。でも一つ言い訳をさせてほしい。電話越しに聞いてくるのは、ずるい戦略だと思う。

偶然そこに居合わせて、別れが惜しいばかりに話し込んでしまっていたのが運の尽きだった。断りを入れようにも、さっきジョングクに仕事はない＝暇だと言ってしまったようなものだし、社交辞令がお堅い日本人である以上、行きたくありませんと堂々と言えないし。

それにティアラの顔を立てないとって。変に気を遣った私に待っていたのは、後悔と＿＿＿＿

マネージャーの怒号。

「駄目に決まってるでしょ？！もし、今パパラッチされたらどうするの？！大事な時期だって、今日何回も説明したわよね？！」

『……はい、そうなんだけどさ』

「バンタンには気をつけろ、これ業界では有名な話よ。あのグループに潰された人達なんて山ほどいる。折角芽が出たのに、会社はあんたの為にスキャンダルもみ消してくれると思う？」

プライベートは関与してこないマネージャーの許可をわざわざとる、一見変な光景かもしれないけれど。家族以上の存在だと思ってるからこそ、私が私の意志で伝えている。

これはマネージャーと私の信頼関係が成り立っているからこそのことで。こうやって私達は歩んできたんだ。

ただ、ここまで必死な形相でやめておけ、と言われるとは思わなかった。多少なり過保護の所はあるかもしれないけれど、過去にもマネージャーの悪い予感が的中して、何度も命拾いしたことがある。

偶然だとマネージャーは言っても、私もわずかながらに不安は存在していて。

だけど、ティアラを一人で行かすのは心配だった。彼女も当然の如く嫌々で一緒なら行ってもいいってそう言ってくれたから。

こうなればティアラに状況説明をして、なんとか私達二人を行かない方向へ持ってこうとしたが。

(21時に○○集合、遅れないでね)

ティアラのメッセージを前にして。今更言い出せない状況に陥っていく。